書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

気が早いが今から質問を考える

修行仲間の晋山結制がおよそひと月後と迫ってきました。今日は儀式の中身の具体的な打ち合わせのために、彼が住持するお寺のある島田市まで行ってきましたよ。

私はそこへ顔を出してもさしたる用もないと思っていたのですが、思ったよりも成果がありました。やはり行ってみるものです。

それはともかくとして、晋山結制の花といえば、首座さんが勤める首座法戦式。激しい問答が繰り広げられるのですが、その直前に行われる晋山開堂という儀式が行われる新命住職(新たに任命された住職)による問答も見どころなのです。儀式の意味合い的にもこちらの方が首座法戦式より何倍も重要なのですけれどね。

その問答において、質問するメンバーに入れることになりました。今回は修行仲間が私を含めて3人加勢しているのですが、その3人は少なくとも全員質問に立てることに。

首座法戦式は問いも答えも台本があります。台本があっても言葉は難解なので、その中身を勉強し、本番で迫力が出せるように何度も練習をします。その過程で問答の内容が身についてくるという側面もあります。

晋山街道における問答は、台本はありません。言葉も大抵の方は、通常の日本語で質問をします。新命住職の答えは、問いに応じて漢文を引用される方もいますが、やはり平易な日本語で答えを返される方の方が今では主流だと思います。

参列されたお檀家さん達に分かりやすく問答を行います。そのやり取りで、新命住職としての才覚を示すわけです。また、首座法戦式の問答は「すごいなぁ」という感想になることが多いですが、晋山開堂における新命住職の問答は、うちの和尚はこういう物事の捉え方をしているんだ、とか、こういう考えでお寺を運営してくれているんだ、という、そういうことを具体的に伝えるチャンスなのです。

ただ、新命住職は質問に答える立場なので、自由に喋れるわけではありません。ですので、質問する側が何を質問するかが重要になってきます。一体何を質問しようか。どんな質問をしたら新命住職の人となりや、将来をどう見据えているかなどを引き出せるだろうか。

檀家さんが普段接している姿と、我々修行仲間が知っている姿には、少なからず差があるはずです。仲間から見た彼の良い部分をアピールする場になってほしい。そうやって考え出すと、意外に難しい。短く簡潔に質問するというのも大事な部分なので、余計に難しい。

ついつい、笑いを取れるネタに走ろうかと思ってしまいます。

あとひと月近くあるとはいえ、ずっとかかりっきりになるわけにはいきません。きっとあっという間にです。どうしましょうね。ほんと難しい。

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