書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

怒涛の二日間を終えて。

晋山結制も儀式としては二日間の予定ですが、昨日今日と、習儀というものを二日間に渡って行っていました。平たくいうと、練習です。

頻繁にある儀式ではありませんし、重要な役割である首座を勤めるのは、通常はお寺の世界に不慣れな人が当たります。人生に一度しか出来ない役ですし、首座を勤めないことには住職になることもできないという重要なステップでもあります。

曹洞宗の三大出世の一番初めが、首座を勤めること。二番目が師匠から教えを受け継ぐこと。最後の三番目か、晋山結制を行うこと。

つまり、三大出世のうちの二つが同時に成される、それが晋山結制なのです。そういうわけで、今回の主役は私でもあるのですが、首座でもあります。

そして、当然習儀の中心は、まだ法要のやり方にも馴染んでいない首座を鍛えることが中心になります。ですが、首座さん、私よりも一回りも年長です。暗記するべき言葉も多いのですが、その一つ一つに若い人よりもどうしても時間がかかります。首座さんが一人で行う動作も多く、それらも覚えるのに時間がかかります。

とても大変そう。

しかし、本人が覚えるしかないので、私に出来ることは限られています。

首座の指導をする役として、書記がいます。今回もそういう意味合いで、信頼のできる和尚さんに書記をお願いしましたが、首座さんが河津のお寺のお弟子さんということもあり、頻繁に練習をすることができます。書記さんも自分のお寺がありつつ、他のお寺にも勤めに出ているため、なかなかに忙しい。

そんな事情もあって、今日は私が16時からマンツーマンで指導をして、19時から教区のお寺さんが大集合して習儀となりました。完全に解散したのは22時ごろでしたので、何だかんだ6時間ほどかかったことになります。でも、首座さん、がんばってます。今日は、その力になれたという実感が得られました。

しかしまだまだ本番に臨める状態には遠いです。30日に最後となる全体での習儀があります。教区のお寺さんだけではなく、個別に随喜をお願いした他の教区のお寺さん方も来てくださる中での、習儀です。その時には本番さながらに仕上がっていなくてはなりません。ここから先は本人の努力次第でもあります。なんとか、30日に間に合わせてほしいと願うばかり。

最も、30日にまだまだだった場合に、更なる練習時間が確保できるように、およそ1ヶ月の時間が残されているのではありますが。首座さんも事情があってなかなかに忙しい方。忙しい合間を縫って、首座さんにとっても一世一代のこの儀式に臨んでもらえたらと思います。

こうしたことにひたすら集中できる修行道場という場は、本当にありがたい環境だなと、思います。厳しくて、理不尽で、辛い思い出もある道場ですが・・・

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