書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

二日がかりの仕事をしていました

昨日から、位牌堂に並ぶお位牌の場所を記号化する作業をしていました。檀家さんのお位牌の場所がすぐ分かるように。長年の悲願です。

今の位牌堂が建立されたのが昭和62年。それから間も無く、師匠の手によってその並び順の全てが書き起こされました。方眼紙のようにマス目を書いて、そこに檀家さんの名前を書き入れていくのです。

ただ、正太寺の位牌堂に並ぶお位牌は、高さも幅も様々。あるお位牌のすぐ下のマス目に書かれているお位牌が、実際の位牌堂ではずいぶん離れた場所にある、という状況になっていました。

さらには、新家さんが檀家さんに加わると、本家さんの近くにお位牌を置く慣例がありました。これを反映させるには、紙では難しい。書き直す範囲が広すぎます。

作成から30年以上が経ち、位牌堂の現状とはずいぶんとかけ離れてしまいました。そんなところへ新たな事情が加わって、新たに作り直すしか無いところまで追い詰められて、ようやく私の重い腰を上げたのです。

今回はもちろんデジタルデータとて作成しますが、それはともかくとして、細かな場所までの記載は諦めることにしました。位牌堂には中央に祭壇があり、左右の壁に沿ってお檀家さんのお位牌が並べられています。左右それぞれ4段、階段状に安置されています。

位牌の位置を表す記号として、まずはこの4段を使います。1段目なら、1。2段目なら2。簡単ですね。

次の記号のために、位牌堂の奥から手前に向けて、6つのエリアに分けました。ちょうどいい具合に柱があるので、そこを境に設定。右と左を記号化するのは簡単だけれど、表記が面倒なので、右側の奥から1、手前へ向けて数を増やして6まで。左側は一番奥を7として、一番手前が12。

これで大雑把にお位牌の位置を表現できます。右側奥から3番目のエリアの上から3段目であれば「3-3」という具合。これで、あとは多くても7つぐらいのお位牌を順に見ていけば、目的のお位牌に辿り着けるというわけです。

毎年1月に行う「初どき」の際には、入出と太田のお檀家さんのお位牌は全部出し入れしているので、だいたい場所を把握しています。だから、この程度の大雑把さでも十分に機能するはず。

記号化の準備が整ったので、実際にこの記号を割り当てていきます。位牌堂の写真を撮ってきて、それをパソコンの画面で表示して、位牌堂の奥から順番にどのお宅のお位牌かを特定していきます。だいたい分かるものの、どうせなら正確なものにしたくて、少しでも不安があれば過去帳と見比べて特定します。過去帳もデジタルデータベース化してあるとはいえ、手間はかかります。

写真もただ表示させただけではお位牌を読み取れないので、拡大したりスクロールさせたり、さらに手間がかかります。

でも、時間をかけたおかげで、全てのお檀家さんのお位牌の場所がすぐに見つけられるようになりました。なかなか見つからなくて位牌堂をうろうろすることがよくありましたが、そんな状況ともこれでおさらばです。

FileMakerで作成したデータベースにもちゃんと入力しました。位牌堂にもWi-Fiを飛ばしてますので、そこからスマホで確認することができます。最高。以前にも書いた問題として、FileMakerのデータベースにスマホでアクセスする機能が、現行バージョンからはサーバー契約的なものが必須になってしまったことですね。今使っている二世代前のバージョンでは一番安いパッケージで使えるというのに。

将来の後継者に引き継ぐことを考えら、これ以上専門的な知識が必要な運用体制にはできません。でも毎年10万円以上支払いが必要。とても悩みます。サーバー的なプランにすれば外出先からも使えるようになるので、利便性は高まるのです。それはとても欲しい機能ではありますが、しかし、お値段が・・・

外出先から過去帳を閲覧できると何が便利になるかというと、お盆のお経の時などにお位牌に書かれたお戒名を読み上げる場面があるのですが、その際に、お位牌には書かれていない(いっぱいになったから省かれている)昔のご先祖様のお戒名も読み上げられるようになるのです。しかも、読み方も確認できる。

もっとも、過去帳を閲覧できるのは曹洞宗では住職・副住職ぐらいに限定されているので、取り扱いの要注意度がさらに上昇します。もしそういう運用をするようになったら、相当注意が必要になりますね。

とりあえずは今使っているFileMakerのバージョンではスマホで閲覧できるので、よしとしましょう。今回のこの作業は、何回も目がやられました。それでも頑張った自分と、この目を、讃えたいと思います。

よく頑張った!

——————————

基本的に毎日書いてます。 何か共感できる内容がありましたら、ぜひSNSでシェアしてください。喜びます。
noteも結構書いてます
Bloggerにブログも書いてます。こちらは数日置き更新。「もばいる坊主