書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

紙の領収証、捨てられますか?

今年に入って電子帳簿保存法の何度目かの改正を経て、いよいよ紙の帳簿に代わり、電子帳簿がスタンダードになる時代が到来しました。

なんと言っても、電子的に発行された領収証などは電子保存が義務化されましたから、零細企業も個人事業主も否応なしに対応を迫られてきました。

ただ、お寺の会計という、まがりなりにも法人の会計処理をしている私もそのことに気づいたのが昨秋でした。あまりにも世間の反応が鈍いので関連業界が広告を激しく打ち始めたのか、そうした文言が頻繁にWeb広告に出てきてくれたおかげです。

セミナーも続々と開催されてきましたが、年末になって急に、要件を満たせば2年間はまだ紙で保存しても良いよということになりましたけど、遅かれ早かれ電子保存を行わなければならないわけです。

契約しているクラウド会計のfreeeが、全プランにおいて改正電帳法にお値段そのままで対応してくれたので仕組み上は難なく対応できていますが、運用する側は一つ仕訳をするたびに、これでいいのかどうかを考えながらの事務になっています。

電子的に発行されたもの以外も、スキャナで電子化したものも電子保存があまり細かな要件なしに認められるようになり、正太寺の環境であれば全部電子保存でOKになるのですが・・・

freee主催のセミナーに参加したり、Web上の情報を読み漁ったり、もちろん国税庁のサイトも目を通していますが、具体例がもっと欲しいです。

例えば、今月来月あたりまでのことではありますが、クレジットカードを使った支出について、昨年12月に使用した分の請求が、1月と2月にくるわけです。

このとき、昨年使用した分の領収証などはそれまでのルールに則って紙での保存が必要なのか、実際のお金の移動が2022年になってからだから電子保存で良いのか。

他にも細かな疑問がいっぱい出てくるです。ひと月分の仕訳を集めても大した数では無いにもかかわらず。

電子保存になると何がメリットかと言うと、紙で受け取った領収証なども電子化することで即座に廃棄できるんです。これはものすごく大きなメリット。ただ、実際に運用し始めると、本当に捨てて良いのかとても不安になります。

今までは絶対に捨てちゃダメな書類だったのです。捨ててしまった場合は、経費にできずに個人の財布から出すというようなことにもなっていたわけです。それがどんなにお寺の運営に必要なものであったとしても。

それが急にスキャナ保存したら捨てていいよ、と言われると、なかなか実行に移せません。大きな会社に所属していて、経理部から捨てて良いよー、と言われたとしたら私もすぐに捨てると思いますけど、自分が責任者の立場だと、踏ん切りがつきません。

こうなると、元々電子データで存在しているものの方が気が楽です。それがそのままfreeeの中に保管されています。捨てる必要がないのです。手元のパソコンから消したとしても、freeeに残っているんですから、安心です。なんの心配もない。

多分今年中には領収証は電子化して捨てるもの、という扱いが一般化すると思うので、捨てられるようになると思いますが、しばらくは今までとは違う方法で保管することになるのかなぁ。封筒に放り込んでおくとかして。

今までも電子化して保存し、原本は破棄する運用は可能でした。ただそのためには、厳しい条件をクリアした上で、事前に税務署長への申請が必要でした。事前申請が不要になり、簡単に言えばScanSnapとfreee(などの対応ソフト)を連携させれば、電子保存・原本破棄がすぐに出来るようになりました。

私の待ち望んでいた状況です。ただ、今までの制度なら、税務署長がこのやり方でOKしてくれてるんだから捨てちゃえ捨てちゃえ、というようにも受け止められたのですが、今回は改正は、自分で整えた上で運用開始してね、という内容。自分に自信が持てない私のような性格だと、なかなか難しいのです。誰かに保証してほしい。

私が初めて領収証を捨てるのはいつになるでしょうか。その時、気持ちよく捨てられるのでしょうか。

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