書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

オンライン会議が、無い

まだまだ新型コロナウイルスの恐怖が過ぎ去ったわけではありませんが、なんとか社会を回せる付き合い方を人間が身につけることができて、コロナ禍以前のような社会生活が戻りつつあります。喜ばしい。ただ、感染力も重症化率も、インフルエンザよりも高いという点は変わっていません。

薬もあるインフルエンザでさえ、関連死を含めれば毎年1万人ほどの方が亡くなっていたことを思えば、まだまだ気は抜けないのです。

とはいえ、一度感染して重症化もせず、後遺症もなかった経験があると、二度目の感染でもそんなに大したことはないだろうと思えますよね。見聞きした中では感染を重ねる程にヤバくなるというものもありました。それは嫌。

ともあれ、日本の社会も強引にコロナ前の状態へ戻ろうという雰囲気です。全く同様にではなく、体調が悪ければ(発熱がある・熱がなくても咳が出る)会社も学校も休むという選択が賞賛される社会であってほしい。

子育てをしていると、学校を休むと勉強についていけなくなるという不安がありますが、授業は全録画して1〜2週間は児童生徒限定で閲覧自由にしておいてくれたりとか、そういう仕組みが出来れば休みやすくなると思うし、機材的にも先生の技術的にも可能なレベルまで来ていると思うのですが、近隣ではそういう話まだ聞きません。

出席していても、先生の話を聞き逃す瞬間ってありますから、それを振り返れるというのは子供達にとってはとても嬉しいと思うのですか。少なくとも子供の頃の私なら嬉しかったはず。そういうことは何度もあったし、あとから聞きに行くのは相当の勇気が要ります。私は結局一度も聞きにいけなかったし、級友に聞いても解決できなかったです。自分でその場面を見返せるのが一番役に立ちます。

振り返って、我が業界。他宗派や我らが静岡県第四宗務所管内以外のところでは、オンライン会議活用の声がたくさん聞かれました。しかし、当地ではほとんどというか、一切開催はなかったのではないかな。

研修会はオンラインで行われました。今年も多分オンラインになりそうです。費用がダントツに安上がりということがはっきりしてしまいましたから。義務化された研修なので、主催する宗務所の費用負担が大きいのです。宗務所の運営費はお寺さんから徴収したものですから、研修によって一種の還元をしていることになるのですが、他にお金をかけなきゃならないところがあって、足りなければ追加で徴収ということがチラチラ見えている現状では、安上がりな研修の方が喜ばれます。

会議はねぇ。そもそも会議をする理由が行事を催したりするためなのです。その行事自体が中止になってしまいましたから、会議を開く理由もなく。中止を決めるのも全員集まらなくてもトップの方で決めて、了承を得ればそれで良しという流れもありました。

新型コロナの流行が下火の時には、お寺さんに広めの部屋を提供してもらうなどして、密にならずに会議ができてしまって。

体調の悪い人は休み、喋る人がしっかりマスクをし、換気をこまめにする。みんなでこれを徹底できたものですから、クラスターが発生することもなく、なんだかんだ無事に今日までたどり着いてしまったのです。

正太寺も晋山結制をやれちゃいましたからね。

地理的要因も大きいでしょう。ここ静岡県第四宗務所管内というのは端から端まで移動しても車で1時間です。たいていのお寺さんは、どこで会議があっても、30分も車に乗れば会場に到着できます。新しくオンライン会議の知識と技術を習得するより、集まった方が早かったのです。

これが静岡や愛知といった、曹洞宗のお寺の非常に多いエリアから外れると、県内全域から一カ所に集まらなきゃならない県が多いです。他の宗派ですと、もしかしたら2つの県から集まらなきゃならないとか、もっと大きく東海地方とか、近畿地方とか、そういう単位で集まる必要があるかもしれません。

そうなるとオンライン会議の方がそもそも良いわけです。コロナ禍を良い口実として、オンライン会議が主流となったところもあることでしょう。

全て推測ですが、しかし、第四宗務所管内でオンライン会議が行われなかった理由は間違いなく、その必要がなかった、という点に尽きると思います。

残念だ。集まりやすいけれど、いつでも出席できるわけじゃありません。オンライン会議であれば、移動中でも参加できるし、出張中でも参加できます。そういうメリットをもっと強調できれば・・・いや、それらは正当な理由で欠席できるメリットでもあったので、かえって嫌がられた可能性もあるなぁ。

オンライン会議については、私の期待する方向へは微動だにしませんでした。残念。一方で、青年会におけるデジタル化は、良い具合に進んでいく手応えがあります。曹洞宗内においても遅いぐらいの取り組みではありますが、ようやく当地でもそれぐらいの機運が高まってきました。その動きの真ん中付近に身を置けているのがとても嬉しいです。

あまり突っ走りすぎるとコケますので、ここまできたら慎重にことを運ぼうと思います。へへへ。

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