書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

お墓のカラスに注意

最近、カラスがお墓場を荒らしています。すでに数件、お檀家さんから相談を受けています。

毎年のことではあるのです。ほとんどのお墓が生花を抜かれているように見てきましたが、初めての経験かのように相談を受けると、意外に全部のお墓ではなかったのか、それとも、抜けてても気づかないでいただけなのか、なんともモヤモヤしますけれど。

お墓用のろうそく立てには、ガラスやアクリルなどで作られた風除けカバーが付属していると思います。あれもカラスのいたずらターゲットになります。他にも、割となんでも、啄んではポイっとするようなのです。

夏場になると被害が増えるので、水が飲みたくて生花を抜いているんだと推測していましたが、ちゃんとあるべき場所に格納されているろうそくの風除けカバーまで投げられているのを見ると、水が飲みたいだけでもなさそうです。

カラスに聞いてみないと分かりませんが、カラスとしてもたまには遊びたいだけだというのかもしれません。キラキラしたもの好きですからね。

こういう時の一般的な反応としては、カラスをなんとかしなくては、ということになります。檀家さんの気持ちも同じだと思います。カラスに好意を持つ人はそう多くはないでしょう。捕まえて足に紐を結えておくと、他のカラスが警戒して近づかなるという話も聞きます。カラスは賢いですから、十分にあり得ます。

ただ、お寺でそれをやるのもどうだろうと思うのです。カラスの行いは迷惑ではありますが、かといってカラスもただ一所懸命生きているだけのこと。人間と変わりません。

正太寺としては、檀家さんの理解が得られるかは分かりませんが、「カラスに悪戯されては困るものは、お墓場に残さない」という啓発をすることにしました。生花もお参りの時だけ供えて、帰るときには回収する。ろうそくたての風除けも持ち帰る。そのほか、いたずらされて困るものは持ち帰る。

墓石自体にはカラスはいたずらしません。フンが落ちるぐらい。それはもうしょうがない。カラスだって排泄するんです。

そうして持ち帰れば、事実上の被害ゼロ達成です。カラスと対決する必要はありません。カラスも水が飲みやすいし、遊ぶときには別の場所で遊ぶでしょう。

ただ、檀家さんの意識としては、生花は枯らさないようにずっと飾るもの、と思っているはずです。お花がない状態を受け入れられない方もいらっしゃるでしょう。カラスに抜かれることを許容してもらうしかありません。

私としては、お墓でお供えした花を、そのまま持ち帰って、今度はおうちのどこかに飾ってもらえたら良いのにな、と思います。入出では花のついていないお花をお供えすることが多いので、その場合は仏壇が良いですね。お下がりではありません。心配ないです。

そんな具合に、今まで常識と思っていたところから離れて、お参りする上での本当に大事なことはなんだろうというところに、みんながいつも自然に考えを巡らせてもらえるきっかけになったら良いなと思っています。

そんなうまい具合にはいかないんですけどね。批判の声だらけだったらどうしよう。また胃が痛むなぁ。

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