書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

初めてのケース

法事がありました。今日の法事は、最初から私が行くことになっていました。静岡県下で行われた防災訓練、入出でも当然行っていまして、そこに住職は参加するためです。


防災訓練の最中の町並みを駆け抜けて、浜松市内の葬儀会館へ向かいます。そこが法事の会場なのです。最大でも100人は入れないだろうというこじんまりしたホールを、さらに半分に区切ってありました。ですから、葬儀会館という響きからイメージするような広さでは無いのですが、でもこうした場所で法事をお勤めするのは初めてでしたので、緊張しました。


ホールのすぐ脇に寺院控え室があります。正太寺のお檀家さんの場合、法事はたいてい自宅で行います。そうでない場合は位牌堂を使います。控え室なんてありません。


お通夜・葬儀の際に控え室があることには最近だいぶ慣れてきましたが、状況が同じとは言え、頭は法事モードですからすぐには適応できません。


数年前までの自宅で行っていたお通夜や葬儀の時もそうでしたが、開式までの間、改良衣から大衣に着替えてお袈裟を付けながら、お施主さんや親戚衆と多少雑談するのが当たり前でした。


そうすることで場の雰囲気を多少つかんで、法要への入り方や、法事であれば法要後のお説教の内容を調整するなどしています。


それがなくていきなり「さあ、どうぞ」と言われても、なかなか難しいのです。葬儀会館で行うにしても、これからは控え室は要らないから会場内で着替えをさせて欲しいと、会館側に要望を出してみようかな。


誰にも非は無いのです。ただ、今までの私のやり方ではうまく対応できない、というだけで。そして、今日は何とか乗り切れましたが、次、同じような時に、うまくいくかどうかは分からない。


法事は、施主家にしてみれば数年に一度の大行事です。そこへ呼ばれた和尚が、緊張からしどろもどろでは申し訳ないどころじゃありません。ドシッと構えて和尚らしく振る舞えなければ、お説教も聞いてはもらえません。


どんな状況でも、いつでもせめてギリギリの及第点は取れるように、工夫をしなければなりませんね。