書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

お大夜

先月、新居町のお寺様で不幸があり、今日明日で本葬儀をお勤めします。今日はお大夜。いわゆるお通夜のことです。明日が本葬儀。本葬儀の後には大連忌をお勤めします。四十九日のことです。ご住職が亡くなられたのがお盆中であり、すぐに本葬儀というわけにいかなかったので、四十九日に合わせてお勤めすることにされたようです。


同じ教区と言うことで、私も配役を頂きました。受付。小さな教区です。受付と言われれば、知庫も兼ねます。知庫とは会計のこと。葬儀全般の会計ではなく、香典場の係りと考えると分かりやすいですね。一般の香典に当たる「香資」をいただいたら、これまた香典返しに当たる「遺意」をお渡しします。葬儀中に香資の金額を集計し、配役のお寺様には香資の金額に応じて謝誼(お布施)を用意します。


一般的な香典場では、香典を頂いたら香典返しを渡し、それでおしまいですね。湖西市においては、昨今、集計をしないケースがほとんどになりました。


お寺の場合は、遺意の渡しそびれは厳禁です。一般的にも渡しそびれはダメでしょうが、お寺の場合はあってはならないこと、という態度です。香資を預かって来られた場合には、遺意を届けて頂けるか確認して、それが難しい場合には後日送付するようにメモ書きもかかせません。謝誼は香資の金額に応じて変動します。曹洞宗の場合は、謝誼を渡す際には可漏と呼ばれる奉書紙を折って作った入れ物に、宛名や金額、そして遺弟(住職の弟子)の中で喪主の立場にある者の名前を書き入れて、お金を入れて渡します。これを作るのが大変。


今回は幸いにして、奥様が達筆なため、可漏をすべてご準備くださいました。ありがたいです。香資の金額は、謝宜の都合もあり、教区内で取り決めがあります。たいていの地域では、頂いた分だけ返すことが多いんじゃないかな。ただ、取り決め通りの金額ではない場合もあり、そういうときは葬儀が終わるまでの間に可漏を作り直すことになります。集計もしなくちゃいけないしで、だいぶ焦ります。


謝誼を渡して回るのも受付の仕事。もっとも、我が教区は寺院数が少ないので、以上のどの行程においても、それほど大変な労力ではありませんけれどね。受付係が1人である、という点を考慮しなければ。


普通は受付係は2人。場合によっては知庫は知庫でさらに2人ぐらいいたりします。小規模とはいえ、1人ではちょっと心許ないのですが、人数に限りがあるので仕方ありません。


とりあえず今日のお大夜の受付は、無事に済みました。遺意の渡しそびれも皆無。集計もばっちり。謝誼の変更にも対処済み。明日も無事に済みますように。