書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

知庫寮にて本葬随喜

何回目かの知庫寮を経験させていただきました。知庫寮とは、こうした法要の随喜の場面では、勘定場を意味します。いただいた香資(香典)を集計して、また香資を包んでいた可漏という袋をまとめて祭壇に飾るべく、裏方に運ぶという役割もあります。さらには、配役を担って随喜された御寺院さん方に、住職に変わって謝宜(お礼)を渡すという仕事もします。その謝宜はやはり可漏に包まれているのですが、それを作るのも知庫寮の仕事です。


何かを購入したり売却したりと言うことはしませんが、法要当日の御寺院さんに関連するお金全般について担当するのです。


僧侶なのにお金って、なんか変ですけどね。


ですので、法要本体には一切関わりません。香資を受け取るのは寺院受付です。知庫寮が受付を兼ねる場合もありますが、今回は規模が大きいので別になっています。受付で香資がある程度貯まった頃を見計らって知庫寮に運び込み、集計を始めます。


密葬と違い、本葬の場合は事前に出欠ハガキである程度の出席者が把握できるので、それを元にあらかじめ名簿を作成してあります。その名簿と香資に書かれた名前を照らし合わせながら、慎重に集計作業を進めます。


出欠の伺いをされていないお寺さんでも当然会葬に駆けつけてくださいますから、名簿に無い場合は書き加えていきます。


最終的に、名簿に記していった金額の合計と、現金が合致すれば万歳三唱です。けっこうずれるんですよ。たいていは名簿への書き間違いなのですが、時には可漏に書かれた金額と実際の金額違っていて、もちろん入っている金額を数えるのですが、先入観で間違えてしまうこともあるのです。


そうなるととても大変です。現金が多ければ、名簿を書き間違えた、で済みますけれど、現金が少ないとなると、紛失の可能性も出てきます。大事になってしまいます。


法要全体に置いて、他の部署は時間が来れば仕事が終わりますが、知庫寮だけは、最終的に金額の帳尻が合わないと仕事が終わらないという恐ろしい部署なのです。金融機関と同じですね。


今回は、無事に合致しました。それもほとんどミス無く。こんなにすんなりといったのは、何度目かの知庫寮経験の中でも初めてです。ちょっと嬉しい。


随喜寺院への謝宜の配布は、法要終了直後のごった返しの中で行うので、目的の方がなかなか見つからなかったりして大変でしたが、こちらも無事に渡し終えました。


今回は知庫寮員3名での共同作業でした。通常は2名程度のことが多いですが、今回は3名いて良かったです。お寺さん、やたら多いんですもの。一緒に仕事したお二方、お疲れ様でした。良いチームワークだったと思います。