昨日に引き続き随喜して参りました。お寺まで戻ると翌朝しんどすぎるので(6時半には到着していたい)、浜松市内に宿泊。朝食はルームサービスでも6時半からってことなのでホテルでの食事は最初からパス。昨日のうちにサンドウィッチを買い込んでおきました。
一緒に味噌汁を買ったのに、飲むの忘れた!
午前中は晋山結制。首座法戦式がどうしても目立ちますが、やはり新住職が正式にお寺に入る式である晋山式は、僧侶の間では一番感動するシーンです。
たいていは檀家総代さんのお宅を安下所としてお貸しいただき、そこで身支度を調えて、お寺に向かって行列を組みます。稚児行列を行うお寺も多いですよね。
護持会の役員さん達が中心となって行列の先頭に立ち、次いで新住職、そして五侍者と呼ばれる5人の侍者和尚さんが続きます。お寺の山門に到着すると、まずは山門法語を唱え、ここから、太鼓を打ち鳴らす音と共に本堂に入る大擂上殿が始まります。
これが凄い迫力なのです。今までに何度か見る機会を得ましたが、何度見てもやはりジーンと来ます。その後は本堂内で、新住職としての決意を述べたり、御開山、歴代住職等々ご挨拶をして回り、最後に住職の辞令をいただいて晋山式は終了。
続いては結制上堂。新住職が、山内の僧侶の問いに答えるシーンが一番の盛り上がりを見せる儀式です。山内の僧侶と言っても地方の寺院では住職以外に僧侶はいませんから、配役寺院が問答をかけることになります。
首座法戦式の問答は台本が有り、迫力が出るように何度も練習をして臨むのですが、結制上堂は練習はありません。問答に出る人数も決まっていません。最低何人は出ようと言うことで人選はしますが、配役寺院であれば誰が出ても良いのです。
新住職の見識を確かめるため、またお檀家さん方にその見識を披露していただくために、何人もの僧侶が問答を仕掛けていくのです。新住職の人徳次第では、配役外の僧侶も問答に出る可能性もある(普通はしませんが)、新住職にとっては本当に生きた心地のしない時間帯です。
これをこなせる自信が付かないと、晋山結制を修行する決意はとても出来ません。僧侶の人生の中で、最大の山場なのです。
そうであるから、周囲の僧侶もこの場面を見逃すまいとしますし、無事に終えられたときの感動は、会場全体で共有されるものとなるのです。
良い上堂を見させて頂きました。
その後は首座法戦式。檀信徒総回向とうつり、晋山結制とひとくくりされる諸行持が円成となります。
午後からは本葬儀です。先代住職の葬儀を、新住職が執り行うという体裁を整えるために、午前中に晋山式が行われるのです。大切なことです。本葬儀は、近年何度か記事にしていますから、割愛。
この間、祝賀と香資の整理をし、エクセルの表を仕上げ、昨日と違いトラブルらしいトラブルも無く知庫寮としての仕事を終えることが出来ました。新住職さんの用意周到な準備のおかげで、知庫寮の仕事は半分ぐらいだったと言っても過言ではありません。しかし、その分の負担はすべて新住職の身にかかってしまったということ。もう少し仕事を差し向けて頂ければ、というのが本音です。
でも、この用意周到な準備力。本当に感服しました。やろうと思ってもここまで出来ない、それほどの準備がしてあったのです。
自分の時は、そうですねぇ、なるべく誰かにやってもらいたいなぁ。そう遠くない将来に、自分も晋山式をやることになります。早死にしない限りは。なんだか緊張してきましたよ。そう遠くないといっても、まだまだ先の話というのに。