書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

お逮夜と入寺式

明日の晋山結制と本葬に向けて、本日はお逮夜と入寺式に随喜しました。生憎の悪天候でしたが、人の出入りする時間には豪雨にはならなかったように思います。


作務衣で出かけて、到着してすぐに改良衣に着替えるつもりだったのですが、すでに受付が始まっていて、受付を続けていただきながら用意していった受付用の名簿の説明をするという混乱を提供し、その後はすでにずいぶんたまっていた祝賀と香資(お祝いと香典)の整理に入ることに。


ほとんどは配役されている御寺院さん方の分でして、明日の受付と知庫寮が忙しくならないように、今日受付を済ませてくださっているわけですが、それにしても、私だって集合時間よりだいぶ前に到着したというのに、みなさん早すぎです。


少しだけ配役寺院控え室に顔を出して、すぐに知庫寮の持ち場へ。Macを開いて仕事場をセッティングして、整理をひたすら続けました。


今日は私1人なのです。明日はもうお一方、先輩が知庫寮に入ってくださるのですが、今日は1人で凌がなくてはなりません。幸い、整理にかけられる時間はたくさんあります。明日は中身を抜き取った外袋のみを、晋山結制、本葬儀それぞれの祭壇に奉呈しておかなくてはなりませんので、要するに儀式が始まる前には整理を終えなくてはならないのです。


極端な話、開式10分前に到着される方もいるわけで、これはなかなか綱渡りなのです。お金の帳尻が合わない以上、祭壇に運び込むわけにはいきません。祭壇に上がっている間、確認のためにそれらを開くことが出来なくなりますから。


明日は儀式の後にはあまり時間を置かずに会場を移してお祝いとたすきぬぎを兼ねた食事会が用意されています。それまでに帳尻を合わせてご家族の誰かしらに現金を渡し終えなくてはなりません。お寺は空になりますから、知庫寮だけ残って仕事を続けるという訳にはいかないのです。


それを思えば、今日は時間たっぷりです。一人ぼっちですけれど、時間はあるという気持ちの余裕を頼りに、なんとかお金のずれも無く今日の仕事を終えられました。


普段の知庫寮ですと、祝賀と香資の整理と平行して、謝誼の作成を行います。謝誼とは配役寺院への御礼ですね。たいていの教区では、祝賀と香資の合計額と謝誼が同額になるように調整します。少しでも負担を減らすための知恵です。


ただ、中には同額ではいけない配役も有り、最終的な金額は祝賀と香資の合計額に応じて決定されるため、事前に用意しておくことが出来ません。お寺から現金をお預かりして、事前の打ち合わせ通りにそれらを決定していき、謝誼を作成します。


つまり、この短い時間の間に、入金と同じ数だけの出金が発生するのです。これがかなり混乱します。なぜか、残金が合わなくなるのです。よくあるんです。


今回は、この謝誼の作成は御住職が自ら全て準備をされてしまいました。想定の金額と違っていた場合、後日改めてご挨拶に伺うということにすることで、事前準備が可能になったのです。


おかげで知庫寮の仕事は半分ぐらいに減った印象でした。こんな状況でお金が合わないなんてことになったら、私の能力不足が明らかになってしまいます。ある意味プレッシャー。


ともかく今日の所は全て順調でした。明日も同様でありたいと思います。天気も回復する予報です。新住職の記念日にふさわしい、良い天気になりますように。