書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

お戒名が決まりにくい時もある

先日の講師役を務めた後、喉を痛めていました。1時間喋りまくったのに加えて、往復2時間の車中、ミスチルを熱唱していたのが原因と思われます。

いいじゃない、好きなんだもの。

ちなみに、今年のミスチルツアー、一日だけ予定とあったのでオフィシャル最速先行申し込みをしていましたが、今晩落選が決まりました。今回は3千人前後しか入れない会場で行うようで、倍率高そうだとは思っていましたが、でも落選が決まるととても残念な気持ちになりますね。

ちなみに、オフィシャル先行申し込みがまだ受付中だったので、もう一度申し込みました。当選するわけはないとは思いつつも、期待を込めて。

喉を痛めたところで法事を務めたりすると完全にアウトな領域まで炎症を進めてしまうことがよくあるのですが、今回は遅ればせながら出来うる限りの喉ケアに努めました。

  • 喉ぬ〜るマスクの常用
  • 睡眠時間の確保
  • のど飴なめまくり

やれることはこれぐらいですけれど。おかげさまで、いつの間にかスケジュールがいっぱいに埋まった土日を乗り切り、今日も喉の安静に務めていたら、夕方になって痛みが和らいできました。やはり声を出さないのが一番の療養ですね。

睡眠時間確保のために削ったのが、この日記の更新です。数日ストップしていたのはそのためです。書くと収入に繋がるのであれば重要度が上がって更新に時間を確保しますが、そういうわけでもありませんので優先的に削られる仕事となっています。この日記を書くのに使っている「はてなブログ」も有料記事を販売できるようになりましたが、有料にするようなコンテンツが無い・・・

さて、肝心のタイトルに関するお話を。お戒名ですね。

葬儀の準備には各種あれど、一番初めに決めなくてはならないのがお戒名です。その後に作成するほぼ全てのものにお戒名を書き入れますから、お戒名が決まらないことには何も作れません。

そのお戒名。通常であれば長くても3時間程度で決まるのですが、今回はなんだか雲を掴むような感覚があり、全然決まりませんでした。込めたい気持ちがうまく表せない感じ。

お戒名というのは、元を辿れば、出家する際に師匠から与えられる僧侶としての名前のことです。それまでの人生を捨て、新たに僧侶として出発するときの名前。例えるならば、子供の名付けです。こういう人間に育って欲しいという願い、そういうものが子供の名前には込められていると思いますが、僧侶の名前にも当然そうした願いが込められています。

お戒名も然り。

お戒名の場合には、生前のお名前から一字もらったりもします。そうすると誰のお戒名か、子孫が分かりやすいという計らいが元になっているのではと思いますが、私もそうして一字もらってくることが多いです。また、枕経の際にご遺族とお話しする中で、戒名に入れて欲しい漢字を聞き取ることもあります。

故人を象徴するような漢字をご遺族が抱いているならば、それを反映するためです。その上で、菩提寺の住職という立場から、気持ちを込めてお戒名を考えます。

いつもと同じように、手順に則り、お戒名を考えていたのですが、今日はなぜだかさっぱり決まらず、丸一日考えてようやく決まりました。非常に長かった。私にとっての最長記録を悠々と更新です。思い入れのあるお戒名となりそうです。

気をつけねばならないことが一点。

葬儀の後、収骨してから行っている初七日法要(三日七日という表現をすることが多いでしょう)、その読経の終わった後に法話をするのですが、その際にお戒名の話もしています。主にはそこに込めた気持ちをお話ししています。それを受けて改めて、ご遺族がお戒名から感じ取る意味合いをこそ大事にして欲しいというお話もしています。

その、お戒名の話が、これだけ時間をかけて考えたお戒名の場合には長くなってしまいかねません。思い入れが大きくなった文がけ余計に話が長くなりそうなのです。それは避けたい。避けたいが、はたして気持ちを抑えられるか。そういうコントロールが自在であるのが僧侶というイメージがあるかもしれませんが、僧侶も人間です、各人に得意分野というものがあります。

ええ、まあ、そういうことです。

葬儀日程の中の一番最後の法要の、さらにその後の時間帯ですから、ご遺族ご親族ともにお疲れの状態です。そこで長話をするのはよろしくない。それは重々に分かっているのですが。当日の自分が今から怖いです。

こういう時は原稿をしっかり作ると吉です。そうだ、そうしよう。せめて箇条書きリストは作ろう。そうして話が逸れないようにしよう。

どんな長時間聴いても飽きのこない法話ができるのであれば、堂々と話しまくればいいと思います。残念なことに私はその域には到底到達しておりませんのでね。自重いたします。

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