書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

人の優しさに救われた日

今日も朝から忙しく、その忙しさのままに先輩が住職をするお寺へ移動し、晋山結制式に随喜しました。いつものように受付でにこやかな笑顔を送り、頼もしい仲間たちのおかげで初日の務めを無事に終えて、先輩の予約しておいてくれたホテルへ向かおうとしたその時。

受付の場所にメガネを忘れたことに気がつきました。老眼の入ったメガネ。まだホテルで今日の受付データのバックアップなど、やらなければならないことがあります。メガネは欲しい。

そう思って一度乗り込んだ車から降りた瞬間、自分の足で何かを蹴りました。それがなんと、胸ポケットから落ちたカードケースだと気付くのに、1分ほどを要しました。

運の悪いことに、すぐそばにあった側溝へと吸い込まれたのです。事情があって、最初に止めた駐車場から車を移動したその場所に、たまたま側溝があったのです。分厚いコンクリートの蓋。二つ隣には金属製の蓋がありますが、私の力ではびくともしません。

クレジットカードだけなら、どうにもならなければカード会社に電話をしてカードを停止してしまえば事は済みます。しかし、そのカードケースには、運転免許証が入れてあったのです。

今から運転するのに。再発行する際にも自分では免許センターまで行けません。公共交通機関で行こうと思えば行けますが、交通の便が悪いので、移動だけで半日かかる・・・

もう日もとっぷりくれ、他の随喜の和尚さんたちも帰ってしまって、私が最後。しかし、近くに、人影を2名発見。後から分かったのですが、今日明日のカメラマンさんたちでした。

その時の私は随分と追い込まれていたようで、なんの躊躇もなく助けを求めました。お店で店員さんに話しかけるのも逡巡した挙句に実行できないのに。

さらには先輩も呼びに行って、東堂老師まで出てきていただいて。大騒ぎをしたあげくに、多分最初に声をかけてから30分ぐらいは経っていたでしょうか、鉄製の蓋を外すことができて、無事にカードケースを取り戻すことができました。

ただただお礼を言い続けるしかない私。先輩も一緒になってお礼を言ってくれて。本当にこの先輩は、良い人だよなと改めて認識し、最終的に蓋を外してくれたカメラマンさんたちもよほどの優しさの持ち主と感じました。本当に感謝です。

ホテルでお風呂に入ったら、指が染みました。蓋を持ち上げようと試行錯誤した際に擦り傷を作ったようです。カメラマンさんも何度も隙間に手を突っ込んでいましたから、同じように傷ができている可能性が高い。その指は、明日の写真を撮る大切な指なのに。その後も仕事に使う大切な指なのに。

朝一番でもう一度お礼を言いながら、傷がないか確認しようと思います。それが分かったところでどうにもできませんが、自分の起こした事態の及ぼした影響として、知る必要はあると思うのです。

今日一日、実はトラブルの多い日でした。でも、その度に周囲の人の力に助けられた一日でもありました。そういう意味で、とても良い日だったと思います。本当に、良い日でした。

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