「不器用ですから」
高倉健さんがCMで語った言葉です。
記憶では映画のセリフだったように覚えていたのですが、調べたらそうではなくて、セーターをいつまでもうまく着れないでいるCMでした。家族に愛情表現ができない夫の姿を描いた日本生命CMで、つまりはまあ、お金で解決かいっ！という気がしなくもありません。
健さんだからこそ成り立ったCMですね。
翻って現代人は、不器用ですから、では納得してもらえません。健さんですら、今の時代に現役であったなら、通用しなかったかもしれません。不器用なりに試行錯誤して愛情表現をしなくてはならない。そんな時代。
今日はそういう意味の不器用ではなくて、二つのことが同時にできない私の話。
資源物をリサイクルボックスに運び込むという誰でもできる仕事を、夫婦の気がついた方が率先して行うわけなのですが、いつも妻に負けます。
妻は、買い物へ行きながらとか、常に「〜しながら」資源物を持っていきます。
対して私は、銀行へ行きながら持っていこう、薬を買いに行きながら持っていこう、そうやって思うのですが、必ず忘れます。出かけるその瞬間、私の意識は最大の目的に対して全集中なのです。
あらかじめ廊下の邪魔になる場所に出しておいても華麗にかわしていくほどに全集中なのです。
これを不器用と言わずになんと言おう。
46歳になったばかりのタイミングで、ようやく悟りました。
私には無理である。
それならば、資源物に対して全集中することにしよう、と。
出かけるついでに持っていくのではなく、計画を立て、今日のこの時間に持く、とするのです。これならば絶対に忘れない。
ガソリンがもったいないという弊害はありますが、私にはついで仕事が無理なのだから仕方ありません。これで少し気持ちが楽になりました。よかったよかった。
そしてなぜそんなことをするのかと問われたら、あのセリフで答えることにしよう。
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