書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

元朝に寄せて

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新年あけましておめでとうございます。

正太寺は住職がやや暇になったので、これからいよいよ本格的に現住職色に染まっていく予定です。門前にログハウス建てて寺務所兼賽銭カフェにしたい。お参りにきた人を呼び止めて半日話し相手にするの。理想。

晋山結制も数年のうちには修行したいです。今の財政状況では夢物語ですが、40代のうちには実現したく考えています。檀家さんに寄付を募らずに、というのが理想ですが、財政状況が改善しない限りはそれしか道がありません。みんなに盛り上げてもらうというのも良い選択肢だと思いますが、普段から十分に盛り立ててもらっていますので…

正太寺のお正月は、いつも通りに朝のお勤めから始まります。いつもと違うのは、お檀家さんが一緒にお参りしてくださること。今朝も大勢のお檀家さんに集まっていただきました。そんな緊張感溢れる中でのお勤めにもだいぶ慣れてきたのですが、お経が途中で迷子になりまして、大変な事態となりました。

少し離れた位置で師匠が読んでいるのですが、全然聞こえません。一番最初の元朝祈祷の時でしたので、太鼓を叩きながらのお経です。本当に全然聞こえませんで、太鼓を叩きながら経机の中から引っ張り出したお経本に目を落として、このあたりのはず、というところから強引に読みだすというあるまじき行為に及びました。

最初から読み直せば良いのですよ、本来なら。ただ、師匠は読み続けているわけでして、止まるわけにもいかない。非常に厳しい状況でした。

それを回避するべく、お勤めの朝のご挨拶では、今は般若心経しか一緒に読めない子どもたちに他のお経も教えて、自分のすぐ後ろで読ませるように頑張りますと宣言したのですが(今は少し離れた位置で読んでます)、とにかく明日のお勤めに、これでは緊張感倍増で臨まなくてはならないので、急遽iPad miniで参照できるように経本スキャン→PDF化を行いました。

お盆と暮れのおときの際にはすでにiPad経本を実運用していますが、本堂で勤める法要で用いるのは初めてのことになります。取り回しに若干の不安もありますが、太鼓を叩きながらお経本をめくるのがなかなか難しいので、指でスライドするだけでめくれるiPad経本の方がまだやりやすいかな、と。

いずれにしてもこれもまた明日のご挨拶のネタになるでしょうか。お経が迷子になった件も含めて、しばらく話題にして、反省と自己研鑽の元にしていきたいと思います。

ちなみに、何百回何千回とお経を読んでいても、迷子にはなります。ならない人もいるかもしれませんが、私はなります。自信を持って言えます。そうした部分を持っていることを自覚しながら、どうするかを常に考え、実践していくのが僧侶ですから、たとえ大法要の時にお経が口から出てこなくなっても、何も恥じることはないと思っています。いや、まあ、恥ずかしいですけどね。そりゃあ。

以上。新年早々、平常運転の正太寺でした。本年もよろしくお願いします

冒頭の写真は長女が慌てて屋内から撮影してくれたもの。いつも初日の出を見てはいるのですが、諸堂諷経のために境内をうろうろしている最中のため、撮影は出来ないんです。娘に感謝。