書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

晋山結制前日

いよいよ写真係を勤める晋山結制の日がやってきました。カメラだけは忘れずに持って、出発です。

そういえば、車に掲示する駐車票なるものが案内に同封されてきていたなぁ、などと出かけてから思い出しましたが、まあよほど大丈夫だろうという、運営する側の都合も省みない自分勝手な考えのまま、お寺に取りに帰ることもせずに現地に到着。早めの到着なので駐車場が埋まっていることもありませんし、おそらく駐車場整理に立つ役員さんたちの案内がなくても場所が分かるし、お寺さんの間ではあの車は誰の車だ、というのはだいたいみんな察しがつくので、問題になることはほとんどありません。とはいえ、先輩であるである新命住職からの案内に入っていた駐車票です。忘れてきただなんてことは口が裂けても言えません。

いつもは受付にまっすぐ向かってそのまま仕事に入るところ、今日は写真係なので、祝賀を届けたら荷物は位牌堂です。この地方では通常、大法要の際には位牌堂が配役寺院の控え室になります。写真係が所属する部署はないので、常に誰の配下にも入らず、その代わりにどこにも直接の仲間がいないという状態で、とても寂しい瞬間もあるのですが、荷物だけは位牌堂に置けるのです。

私の写真の撮り様は、法要が行われている裏側の写真も多く、法要中なのに気の抜けた瞬間なんかを撮られることを警戒した配役寺院の皆さんに煙たがられるという立場になります。タバコは一切吸わないのにも関わらず。ですから本当の意味で控え室として落ち着ける場所って、無いんですよ。新命さんからの差し入れの飲み物なんかは位牌堂でいただきますが、一息つきながらみんなが打ち合わせをしている中で、私が一人だけがその緊張感を共有できずにいるものですから、浮いているような気がしてしまうんです。まことに身勝手な感情ではありますが。

そんな風に、孤独感を感じながらも、一日楽しく撮影をさせていただきました。ご家族の写真もだいぶ撮ったなぁ。嫌われるかも。

お祝いの行事は、ずっと笑っていられるので幸せです。新命さんはとてつもない緊張感の中においでだとは思いますが、私はとても幸せです。