書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

仏教は、心をコントロールする技術を教えてくれる

欲望、執着、迷い、苦しみ。人の心は様々に揺れ動き、時に激しいダメージを与えます。そうしたとらわれから平安に至る手段として、心をコントロールする技術を様々に示しているのが仏教です。心を手中に収める、なんて言いますね。


心に操られるのではなく、心を操る。それが出来ればどれほど心安らかに暮らせることでしょう。
今また、私の心を揺さぶる事態が、新たに発生しました。


先週、アップル社が発表し、即日発売となったMacBook Airの11インチモデルがそれです。私がモバイルコンピューターに必要と考えている要素、そのほとんどがこの製品で実現されています。


1つには処理性能。CPU自体は現在では高性能とは言えませんが、ドライブに高速なフラッシュメモリを採用したことで、CPUの駆動周波数からは想像できないほどの処理性能を持っているようです。これはすでに各所のレビューで実体験として明らかになっています。


高速なフラッシュメモリはまた、少ないメモリでの運用を可能にしてくれているようです。標準構成では2GBと、今では最低限と思われる容量しかありませんが、メモリを使い切った場合に作成されるスワップファイルが作成されても、それは高速なフラッシュメモリ上にあるため、ボトルネックとならないようです。普通はメモリと比較すれば遙かに低速なHDDに作成されるためにボトルネットになるのですが、そこが高速なのであまり影響が出ない、ということ。


2つには液晶サイズと解像度。11インチというのはなかなか良い選択です。iPadよりも一回り大きく、しかし13インチほどには大きく感じない。製品の全体のサイズもこのおかげでかなり小振りになっています。代わりに解像度は余に溢れる13インチのノートPCと同じです。表示出来る情報量は13インチノートと同じだけあるのです。そしてMacOS Xは、システムで使われるフォントサイズを柔軟に変更することが出来ます。フォントだけでなく、アイコンのサイズも、自由に変更できます。小さい画面に高解像度という組み合わせは、Windowsであれば目に過酷な状況を生み出すのですが、Macであれば回避できます。


Windowsでもシステムフォントのサイズは変えられますが、柔軟度がまるで違います。


3つには軽量であること、頑丈であること。1kgを僅かに超えますが、十分に軽いノートです。軽ければ軽いほど良いですからもっと軽くても何ら迷惑ではありませんが。頑丈さは、近年のユニボディMacBook Proが証明しています。頑丈です。可動部分が壊れる可能性はありますが、ボディ全体では、たわむこともなく、がっしりしています。まだ触ったこと無いですけど、そういう作り方ですからね。


惜しむらくはバッテリー性能。13インチモデルはカタログスペックで7時間。11インチは5時間とそこそこですが、実際にはそれぞれ5時間、3時間というところでしょう。13インチモデル並みの駆動時間があれば、ACアダプターを携行するか悩む場面も大幅に減ったことでしょうに。


ただしかし、これだけの要素をかなえてくれたモバイルノートは初めてではないでしょうか。それなのに価格は88,000円〜という訳の分からない低価格。前モデルは20万前後だったはずですが。いったいどうしたことでしょう。


買わない理由があるとすれば、そもそもPCを出先に持ち出すという事自体が減っているということでしょうか。私の側の問題なのです。Airには理由がありません。しかしこの問題はなかなか切実です。家族で出かけたときに文章なんて書いてられません。iPhoneでメモを取るのがせいぜい。宗務所で泊まりの出張があっても、たいてい懇親会がセットされたりしていて自分の時間などわずかなもの。持っていっても使う場面がありません。メモ取りに使うには、お寺の世界ではまだまだ「大げさ」と見られがちです。


しかし、もばいる坊主を標榜する私が買わずにいていいものか、という葛藤もあります。また買ったの、と言われないかという心配も同時にあります(言われるに決まってる)。そんなに買ってないのに。


MacBook Airは、衝動買いに値する逸品です。後悔する可能性はほとんどないでしょう。Webブラウズとメールにしか使わないって言うなら、収納にも有利だし、メインマシンとして何ら問題ないでしょう。光学ドライブがないのでMac App Storeが軌道に乗るまではソフトのインストールに難儀するかも知れませんが。


ここまで強く買いたい衝動に駆られたのは久しぶりです。iPadの時の引きも強かったですけれど、Airは具体的に利用シーンが浮かぶ分だけ、より強烈です。先立つものさえあればすぐにでも・・・


公園のベンチにでも座って、たくさん文章を書きたい。推敲なんか後回しにして、どんどん書き連ねたい。そんな思いが強い昨今。VAIO Type Pでは、結局の所、目からの疲労が蓄積しやすくなってしまっている私の体には、小さすぎたのです。字を大きくすると、長文を書くには縦が足りない。当初から分かっていたことでしたが、やはりそこがネックとなりました。


Airならそういう心配もない。重さは増えるけれども、キーボードはフルサイズなので膝の上で打つにしても不自由は無い。やはり唯一の問題点は、使う時間の確保が難しいという点か・・・