書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

宗務所日記。最後に頼るのは、いつまでたっても「紙」なのかな

人には多くの経歴があります。まだ社会に出たての若者であっても、学歴という名の経歴がちゃんとあります。もちろん、世間から飛び出した存在である僧侶にも、経歴はあります。


学歴はもちろん、修行歴、色の付いた衣を着けることが許可された日、各宗派の教師としての資格を与えられた日などなど、けっこうな量です。


それらを現在は、デジタルデータと紙媒体の2つの媒体を使って保管しています。書記の仕事はまさにこの部分にあるのですが、僧侶の経歴に更新が発生すると、パソコンでデータベースを更新し、僧侶各人に一枚ずつ存在する経歴カードに書き加えます。


一言で言えば、二度手間。考え方としては、「やはり最後に信頼出来る保管方法としては、紙である」というものですね。私はデジタルデータ、それもプレーンなテキストデータが良いなぁと思ってるわけですが。データベースならCSV形式ってことですね。


デジタルデータの最たる特徴は、複製が容易であるいう点であると考えます。保管に不安があるのならば、いろんなところにコピーを保管すればよいのです。それこそ、同じ建物内にデジタルと紙の双方のデータを所持して安心するよりも、外部のデータセンターにでもアップロードして、万一建物が失われてもデータは無事である、という状況にするべきだと思います。


宗務庁は僧侶のこうした経歴データは個人情報であるとしてかなり慎重な扱いを要求していますが、当事者でもある私からすれば、僧侶の経歴なんて、どんどん世間に知らしめるべき物だと思います。その僧侶が信頼に足るかどうかの指針になるのですから。


ですから、経歴データは、外部のデジタル領域に預けるのに、それほど神経を尖らせなくて良い思うのです。例えばDropboxにデータをコピーしておくのでも問題ないはず。ユーザー認証も、通信経路も、一応暗号化されているわけですし。


そうして各所にコピーを置く方が、とても安心出来ると思うのですけれどね。紙では燃えたらおしまいですもの。でも、そんな考えはまだまだ通用しない世界です。通用しないというか、言い出せないレベル。


いつまでこの二度手間は続くのでしょうか。というかですね、宗務庁に元のデータがあるのですから、それを参照させてくれれば良いのですよ。宗務庁でデータの更新がされると、宗務所宛に通知ハガキが届きます。それを見て、宗務所でもデータの更新を行っています。とても無駄でしょう。


宗務庁とやりとりする書類の中には、情報保護に気を配るべき物も当然あります。でも、僧侶の経歴に関しては、そもそも公の性格が強いと思うのですよ。ならば、上に書いたような事務手続きの簡略化も夢物語ではありません。はやく、頭柔らかくして、余分な仕事を減らす方向で、事が運んで欲しいものです。


以上、嘆き節の日記でした。