書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

寺族研修会

宗務所主催の寺族研修会が開かれました。静岡県の場合は寺院数が多いため、県内に4つの宗務所があります。こうした研修会を開いても、割合会場が近くて便利なのですが、多くの県は一つの宗務所しかありませんから、会場まで行くだけでも大変なのですよね、きっと。それを考えたら、静岡県内でも、管内どこからでも車で1時間程度で到着出来る会場設定の可能な当静岡県第四宗務所は大変恵まれていますね。


今年の寺族研修会は、人権についてと介護についての2つの講演がメインです。人権についての研修というと、座学と視聴覚学習が中心になりがちで、興味を維持して学習に臨むのがなかなか難しいのですが、今回の講師さんの進め方は今まで見たことがないものでした。いきなり全員席を立ち、円を作り、そこから始まるんです。その後は5人ぐらいのグループに分かれて、短い時間で順々に意見を述べたり、書き出したりと、集中力を切れさせません。


妻も寺族研修会に初参加したのですが、かなり充実して研修が出来た様子で、お寺に戻ってからも研修会の話をずっとしていました。予想以上の好感触で、私も嬉しかったです。


もう一つの講演は、介護について。これもまた、身近な問題です。事前にアンケートをとっていたそうで(主催者側なのですが、知らなかった)、まずはそれについての回答から始まりました(このあたりの時間帯、別の仕事をしていたので妻からの聞きかじり)。そして、その回答にけっこうな時間を要してしまったようです。


私の心配は、最初の講演が、体を動かしたり、班に分かれて自分たちの意見を出したりと、積極的に参加することを自然と要求するアプローチだったのに対して、二つめの講演は、基本的には座って聞いているスタイルなので、通常なら飽きない話でも、飽きてしまわないかという点にありました。


しかし、やはり講師さんの話術でしょうか、ぐいぐいと引き込まれていったそうです。実体験を元にしたお話が盛りだくさんだったのも、関心を引き続けたのでは。やはり、話しているその人本人の体験を聞くというのは、一般論と比べて迫力もリアルさも、段違いですからね。


人権の講演は2時間、介護の講演は一時間半。それぞれ少し時間をオーバーしました。そして、オーバーした時間も含めて、最初から最後まで飽きさせない内容でした。素晴らしい講演に行き会えて、妻を始め、今回の参加者の皆さんはラッキーだと思います。


私のようにちょこちょこ聞いただけでも、すぐに話に引き込まれていくんですから、すごいですよね。私もそれぐらいの話が出来るようになりたいです。またひとつ、目標が増えてしまいました。