書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

耳に残る音

同安居のお寺で火事があったという日記を読みまして、以前正太寺付近で起こった火事騒ぎを思い出しました。ちなみに、そのお寺で燃えたのは本堂すぐ近くの水屋だったそうで、延焼の危険もあったはず。火が出たこと自体が大変なショックでしょうが、水屋だけで済んで良かったとも言えます。文中、それもネット上ではありますが、お見舞い申し上げます。


さて、本題。もう10年以上前のことだと思います。私が10代後半か20代になったばかりの頃の話。あの頃そんなに境内掃除も手伝わなかったと思うのですが、あの時は掃除していたんですよ。竹箒持ってせっせと掃いていました。ただ、住職が何かの用で出かけていましたから、たぶん早朝ではなく、9時10時ぐらいだったと思います。


ふと気が付くと、裏山の方からパチパチと音がします。近くにいた母が、何か燃えてるのではと感付きました。山火事にでもなったら大変です。燃え広がれば、お寺だって延焼の被害に遭うことでしょう。


母に119番を頼み、私は音のする方へ急ぎました。急いでも、山ですからね。坂道を走り、2、3メートルの崖のような斜面をよじ登り(たけのこ掘りのルートなのです)、燃えているのはここか!と辿り着くと。


二人の人がいて、木や草を燃やしていました。
お掃除です。


元々、畑に使っていた土地と思われます。その時既に荒らしてしまっていて、ワラビやらタケノコやらが採れたりする場所でした。竹林+雑木林という場所です。なぜこの場所で・・・と疑問に思いましたが、理由は分かりません。ただ、とにかく、燃やしていたのです。


そのうちに消防が到着し、燃やしていた人は、近隣の人に連絡をしてから燃やすなどするようにと、注意を受けたそうです。私は、現場に行ったものの、その場で話しかけることも出来ず、すごすごと引き返してきました。そして、危険はない旨を母に伝え、その後どうしていたかは記憶にありません。


ただ、あの時の、パチパチという音は今もはっきりと覚えています。ゾッとしました。住職は留守、お寺に残っていたのは私と母だけ。いろんなものが肩にずっしりと掛かってきたのを覚えています。


嫌な音でした、アレは。もう聞きたくないです。火事に遭わないように、皆さんもお気を付けください。