書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

お年忌二件と葬儀

和尚が二人いるとはいえ、こうなるとてんやわんやです。お年忌は、施主家も様々ご苦労があって大変でしょうけれど、こと当日に限れば、お寺側もなかなかに大変なのです。


正太寺では、施主家で読経の後、お墓経、位牌堂にてお念仏、という流れです。そして最後に本堂でみなさんにお茶を飲んでいただきます。このお茶をお出しするのがなかなか大変でして。正確な人数は位牌堂に入った時点で、入り口に脱がれた靴の数で数えます。それまでは、私や師匠がざっと数えた人数しか分かりません。10人ぐらい、とか20人ぐらい、とか。


お念仏に掛かる時間が3分ぐらいでしょうか。3分で20人分のお茶を入れて本堂まで運ぶのは不可能です。そこで、数えながらお茶を入れるという芸当が登場します。お寺の奥様は、なかなか大変なのでございます。


その昔、先代様の時代には、お寺のお座敷にお施主他数名のみお招きして、お茶をお出ししていたそうです。他のご親戚方は本堂で待っているだけだったそうです。
今の住職、つまり私の師匠が、時代や考え方の変化もあるからと、今のスタイルにしました。それからもう30年ほど経つのでしょうか、すっかり当たり前のことになっています。


でも大変なのでございます。
でも、せっかくお寺に来たんですから、お茶の一杯くらい飲んでいっていただきたいですしね。がんばりましょう。



そしてお年忌が終わって食事の間もなく葬儀です。予想はしていましたのでお年忌前(10時頃)におにぎりを食べておきましたが、やはり多少お腹がすいていました。直前で何か食べると声の出が悪くなるのでぐっと我慢でしたが。
私だけでなくて、家族中食事の時間が取れずにしんどい日でした。家族経営の零細企業さながらなのです。
忙しい中がんばった自分にもありがとうですが、支えてくれる家族にも感謝感謝です。家族をあげて取り組まなければ、今のお寺は運営できないのです。