書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

年に二度のお彼岸です

お彼岸といえば、おせんぼう。観音懺法(かんのんせんぼう)という儀式をおつとめします。おつとめする場所は、近隣6ヶ寺を順番に回っています。お彼岸は年に二回ありますから、3年に一度会場が回ってくることになります。そして会場寺院でその3年間に亡くなられた方のご供養と、6ヶ寺でそれまでに亡くなられた方のご供養を行うのです。


最近では1時間強で終わりますが、先代住職が現役でいた頃は2時間ほどかかったそうで、途中でお茶が出されて休憩が入ったと聞いています。それでも途中短縮をしているのです。それぐらい、時間かけて行う儀式です。


懺法の懺の字は懺悔(さんげ)の懺と同じです。
観音懺法とは、ひたすらに懺悔をして、生きていくうちに犯してしまった罪を取り除き、正しい心を取り戻す儀式です。この罪とは、法律で裁かれる罪だけではなく、仏教の上での罪です。心の中での行いも対象ですから、それはきっと誰にでもあるものです。恨み辛み妬みなどはその代表格、外からは見えませんので法律では裁けませんが、仏教では重大な罪です。


ほかにも細かなものを数え上げればきりがありません。それぐらい、人は罪を犯して生きています。観音様をお招きしてそれを懺悔するのが観音懺法。そして、懺悔しようとする行いはとても功徳の高いことです。ですから、その功徳で亡くなられた方々をご供養するのです。


我々僧侶は、我々自身はもちろん、参列された方の分も成り代わって懺悔し、その功徳でご供養します。とても大切な儀式なのです。


ただ、懺悔の儀式ですので、お拝が多いのです。私のような年齢でしたらまだまだ大丈夫ですが、師匠ぐらいになると、足腰に負担がかかるみたいですね。年を取れば取るほど体にも負担の大きい儀式になります。
それでもひたすらにおつとめしますから、お寺から案内のあった方だけでなく、お中日にはぜひお参りに来ていただいて、参列をしていただきたいと思います。3年間、春秋のお彼岸に欠かさずお参りしていれば、必ず出くわしますから。時間は10時からです。