正太寺のお彼岸は、通常は大きな行事がありません。お檀家回りもしませんし、お中日に法要があったりもしません。例外は、3年に一度、秋のお彼岸中日に行われる観音懺法。1時間強にも及ぶ懺悔の儀式です。その儀式を通じて、各家の永代供養を行います。
さらにいえば、懺法講という講を組織しています。この、講という組織も、湖西市ではあまり見なくなってきましたね。解散したところもあります。
正太寺も加わる懺法講は、湖西市北部の曹洞宗寺院六ヶ寺で組織されています。お彼岸のお中日にはその六ヶ寺を順番に回って、観音懺法の儀式をお勤めします。
3年に一度、秋のお彼岸中日というのは、正太寺の番が回ってくるタイミングなのです。ちなみに、今年の秋がちょうどその日に当たります。
各寺院では、この観音懺法に合わせて、講で管理している過去帳と戒名を書き入れた掛け軸に、前回の観音懺法以降に亡くなった方々のお戒名を書き入れます。そして、観音懺法の本番では、すでに戒名を書き入れられていた仏様と、新しく書き入れられた仏様を供養するのです。
懺法講が続く限りずっと続けられます。そんじょそこらの永代供養ではなく、六ヶ寺合同での永代供養。これは特別な申し込みは必要ありません。六ヶ寺のお檀家さんであれば、自然と、この永代供養の輪の中に入ってきます。
正太寺でも、世間で言われるような永代供養を受け付けていますが、これをしなくても、正太寺のお檀家さんであれば永代供養が約束されています。懺法講がなくたって、お檀家さんであったなら、必ずご供養は続けますから、永代供養です。最低限、お葬式を出して、お墓の撤去さえしてもらえれば十分。どちらもそれなりにお金がかかってしまいますが、加えて永代供養を申込なんてことになれば、さらに大変ですから。
どうしても自分が生きているうちにご先祖様の永代供養を整えておきたい、と言うことになると、ごく一般的な永代供養の申込手続きをしてもらって、お布施を納めてもらって、と言うことになってしまいます。私としては、それをしなくても永代供養に確実になるのだから、どうか安心して日々を過ごしてほしいと思っています。
それでもどうしてもちゃんと整えておかないと気になる、と言う方もいるとは思うのですが・・・気に病んでいる状態なので、安心(あんじん)とは程遠い場所に行ってしまっています。永代供養を受け付ければそれで落ち着くと言うのは確かにあるでしょう。でも、また別のことで気を病んだ場合に、同じ方法では解決できないこともあります。
もう少し応用力に富んだ解決策を身につけてもらうにはどうしたら良いか。まずは自分を見つめることが大事で、そのためには坐禅に取り組むのが手っ取り早いのですが、しかし、手っ取り早い方法とは思ってもらえないですよね。そこが難しい。
やはり、問題が生じる前に、週に一度や二度、坐禅をする時間を持つような生活スタイルを実践してもらえるように、常から勧めていくしかないですね。一歩一歩、その一歩を疎かにしないように、お檀家さんと向き合っていきたいものです。
いやしかし、自分が修行するより難しいのですよ。
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