書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

緊急の呼び出しを受ける立場の緊張感

ドラマなんかでドクターが電話で緊急の呼び出しを受けるシーンが描かれることがあります。これがねぇ、やや納得がいかない。

我々のイメージする緊急呼び出しは、やはりお医者さんに関係するものが多いですが、実際には他にもいろいろあります。映画やドラマにも展開された「海猿」でも描かれていたように、海上保安官も。船ごと動きますから、非番であっても関係ないのかなと想像してますが、そうなるとすごく大変ですよね。実際はどうなのでしょう。

非番が存在しないといえば消防団員。出動できない時は出動できないで済ませば良いのですが、分団長や副分団長ともなると、分団の指揮をする立場。行けません、とは言えません。もちろんさらに上の本部長や団長だって同じです。その意味では、本職の消防士のほうが非番にちゃんと休めるということになります。

私の知っている、長く消防団員を勤めてらっしゃる和尚さんは、常に無線機を携行していました。今は上役になりすぎて、無線機携行からは解放されてらっしゃるようですが。

師匠が分団長を勤めた時にも、無線機がお寺にありましたね。今はメールで連絡が来るので呼び出し用の無線機は不要になったのですが、24時間いつでも呼び出されるという状況は微塵も変化していません。

湖西は火事が少ないからまだ良いですが、人口が増えれば火事も増える。そうした地域の消防団員は大変だと思います。最近、お金の使い道のことでネガティブに取り上げられることが増えましたが、本人たちが納得しているのなら、好きに使わせてあげなよと思います。もちろん、自治体からの補助金とかで宴会はNGですが、宴会以外にも必要経費がたくさんあるので、補助金はそれらに使われて無しになるのが普通だと思います。

私が分団長の時は、年に2回の宴会で、一次会は団員の報酬から支払い、二次会以降は役付きが支払うという体制でした(年齢的にも順当)。自腹部分を援助するために、地元在住の同級生から出不足金と称して集金されて、役付きの人間に届くようになっていました。届くようにというか、自分で口座を開いて自動引き落としの用紙をみんなに配って、というようにするんですけどね。(同級生の話し合いによって決まるので、その時その時でやり方は変わります)

話は戻って、住職も同じように緊急呼び出しがあります。他と違うのは、生命には影響がない、ということ。でも、ご遺族の心情を考えたら緊急性は高いのです。

というわけで、個人的には、緊急呼び出しを受ける側の気持ちというのを日々味わっているつもりでいます。気が抜けない。気を抜いている時でも不意に思い出して身震いする。一本の電話をきっかけにその後数日間の日程がゼロクリア。緊張感あふれる儀式が連チャン。お腹も緩くなる。

お医者さんと違うのは、呼び出しがあってからその先がすごく長いということですね。

なんにせよ、緊急の呼び出しがある状況というのは、何年経っても慣れません。日常生活でも常に頭のどこかで意識しています。命に関わる現場の方々はそれこそ即応してさらに専門技術を振るわなくてはならないのですから、緊張感は住職の比ではないはず。

そんな緊張感の中に常に身を置いている人間の描き方として、今のドラマはちょっと物足りないのです。そんな毎日が平気な人もいるでしょうけれど、なんとか踏ん張っているけと胃が辛い、という人もいるでしょう。そんな部分にもっとスポットを当ててくれても良いのにな、と。

救命医に知り合いはいないので、取材をして脚本を書いている脚本家の方が事情に詳しいとは思うのですが、自分の置かれている精神状態を鑑みるに、納得いかないなぁと軽く思ったので日記に取り上げてみました。

意外とこうした呼び出しのある仕事をしている人、多いんじゃないかと思います。旅行会社の添乗員だって、昼夜問わずお客さんから電話がかかってきますものね。

そういう精神的に辛い部分を明るくフォーカスして元気付けてくれるドラマ、無いかなぁ。最近テレビドラマって積極的には見なくなってしまいましたが、もしそんなドラマがあったらぜひ見て見たいです。

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