書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

東海管区人権啓発研修会1日目

今日から二日間の日程で、曹洞宗東海管区人権啓発研修会が開催されます。東海管区、教化センター、宗務庁人権擁護推進本部の共催となっていますが、実質的に運営していくのは、今年当番に当たった、我らが静岡県第4宗務所です。


そしてその中でもほぼすべてを取り仕切っていくのが、人権主事さん。お疲れ様です。


私は書記なので、当日の役割を淡々とこなしていくだけですが、そうはいっても突発的にいろいろ発生するわけでして、それなりに忙しく過ごしました。


今回のテーマは、外国人の人権、特に浜松地域近隣の日系ブラジル人の子どもたちの人権に重点を置きました。1日目の今日は、浜松学院大学の津村公博教授の講演を聞き、実際に今、どういう状況に子どもたちが置かれているかを知りました。ここにはとても書ききれませんが、それは思った以上にひどい状況でした。


夜は懇親会と文化学習を兼ねて開催です。まずは浜松地域に伝わる遠州大念仏を披露して頂きました。その後、今度はブラジル文化としてサンバを鑑賞。楽器と踊り子総勢9名と、少数構成ではありましたが、部屋もそんなに広くないですし、迫力がすごかったです。どちらかと言えば静である遠州大念仏との対比がくっきりしていて、どちらも印象に残る実演となりました。


昼間は座学ですから、何となく堅苦しい時間でしたが、夜のサンバは衝撃だったようです。人なつっこいブラジル人(日系なのか生粋なのか分かりませんけど。たぶん日系人。)の、こころから楽しめるパフォーマンス。太鼓を使いますからそこでも親近感が沸いてきます。彼らが、彼らの子どもたちが、彼らの子どもたちの友人が、ひどい状況に追い込まれているのであれば、何とかしなくてはならない。そう思えるのでした。


景気の高低で生じた状況ではなくて、根本的にはお互いに歩み寄れない日本人との関係の問題と、派遣による簡単に首を切れる雇用形態(景気が良ければ利するときもあったようですが、社会の底辺から上がることの出来ない環境を作る要因の多くは、これにあると思います)に問題があるようです。


どちらも実際に何とかしようと取り組むと、高い壁にはばまれる問題ではありますが、でも仏教は、こんな時にこそ力にならなければならないと思います。みんなが幸せでいることが、仏教の目指すところなのですから。