書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

本葬儀

本葬儀。今日も受付と殿行を兼ねる予定でしたが、結局またしても、受付だけで終わってしまいました。開式10分前に裏方に来て着替えるようにという指示もありましたが、無理。その10分前から開式までが最も忙しい時間帯となりました。


いただいた香資(一般で言う香典)は、祭壇にお供えします。中身は抜き取り、一覧表に記入し、葬儀中に集計作業が出来るようにします。開式20分前ぐらいからが受付ラッシュとなり、それらを処理し終わって祭壇に届けたのが、開式2分前ぐらいでした。一覧表の最後の方、字が汚いこと汚いこと。


3人体制の受付で正解でした。香資を受け取る、お返しを渡す、一覧表に記入する。それぞれを1人ずつ担当することで、何とか回っていました。それまでの時間帯は、ゆったりしたものだったんですけどもねぇ。


それから集計作業に入ります。なかなか帳尻が合わなくて、最終的に帳尻があったのは、本葬儀が終わった後でした。お供えした香資の中に、一枚残ってましてね。


そんな具合で、悲しみに暮れるはずの葬儀も、役に当たった人間は、自分の仕事を果たすのに精一杯で、故大和尚様の思い出に浸る余裕もなく。遺族も、大勢押し寄せてくるお寺さんの接待に忙しく、なかなかゆっくりと時間を過ごせません。お寺の葬儀というのは、そういう意味で、悲しいものです。初盆もお寺のお施餓鬼をまず勤めなくてはなりませんから、有って無いような物になってしまいがちです。なんとも悲しい。


事前準備がいろいろと大変なので、まずは密葬を執り行い、時間を空けて本葬儀を厳修するのが通例ですが、無理して遺体のあるうちに本葬儀を行ってしまった方が、葬儀らしい葬儀になるように思います。そういう形をどこかできっちりと、作り上げたいですね。