書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

過去帳に差別的な内容が

長野県の曹洞宗のお寺で、こんな事件がありました。
http://www.shinmai.co.jp/news/2004/03/06/010.htm
過去帳に「貧乏」「生活保護」などの書き込みがされていたようです。これにたいして曹洞宗人権擁護推進本部は調査を実施し、厳重注意および勧告をしました。
http://www.shinmai.co.jp/news/2004/03/13/010.htm


過去帳というのは、亡くなられた方のお戒名や命日などを記録してあるものです。正太寺にはたしか明治期以降の記録が残っています。何度か火事を出しているので焼失したのか、昔は過去帳を使用していなかったのかは分かりませんが・・・。(昔はろうそくや線香の火がもとでよく火事になったそうです)


過去帳が一番活躍するのは、「今年○回忌のはずだけど、あってるかね」と聞かれたときや、ちょっと自信のないような表情でお年忌の申し込みを受けたときなどに、確認するときですね。


そういうわけで、貧乏だとか、生活保護受けてるだとかは必要な情報ではありません。例えメモであったとしても、それをもとにいったい何をするつもりだったのか疑念を抱きます。自分をその立場に置いてみても、なんのために記しているのか思い浮かびません。その人を、またはその家を差別的に扱うという以外には。
1975年の差別事件以降、宗派を挙げて同和問題だけでなく、各種の人権問題に取り組んできたのですから、件のご住職もこうした記入の差別性は当然理解しているはずだと思うのですが・・・


同じ曹洞宗の僧侶として恥ずかしく思います。申し訳ございません。


この事件を機に、正太寺でもどこかにこうしたことがないか、自分の心の中に差別する気持ちがありはしないか、もう一度点検していく所存です。