書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

密葬儀。

いよいよ密葬儀。方丈様のお身体が維持されるのも、今日が最後です。

受付の仕事はソコソコにして大半を相棒に任せ(二人でやってます)、カメラを握りしめて本堂へ。本葬儀とは全く違う空気の漂うその場を記録すべく、あっちでパシャパシャ、こっちでパシャパシャ。

晋山結制の場合はお祝いなので、カメラ係が多少ドタバタしても許されるような気がしていますが、密葬儀は一歩一歩の足音も気が抜けません。無音で移動できるわけはないのですが、それでも余分な音は立てないようにと気を使います。

裏へ表へ移動しながら、裏方さんの様子を見守ったり、意外にやることの多いカメラさん。また晋山結制の話になってしまいますが、その際には大抵、裏へ入ると面白い瞬間を作るために茶化したりもするんですけれど、今日はさすがにそういうこともできず。

それがまた気疲れを生むわけです。明るい現場じゃないとパフォーマンスを発揮できない人間です。

何れにしても、この密葬儀をもって、ご遺族も、副住職も、少し休むことができます。特に副住職は、住職の代行としてお盆を乗り切った直後の御遷化でしたから、本当に休む間がなかったはず。しばらく目覚めなくてもおかしくないです。

ゆっくり休んでもらって、住職亡き後のお寺を、しっかりと支えて行ってもらいたいと思います。

年をとったな…

宗務所での職員会儀→通夜受付→片手間に記録写真撮影の流れを無事に果たし、最後は明日の密葬儀打ち合わせ。私は受付ですし、さすがに儀式の流れも把握しているので記録写真を撮る上でも打ち合わせなしでもほぼ問題ないのですが、こういう時は一緒になって過ごすものなのです。

こちらの教区は今、若手が豊富。ただ今回随喜の面々は、本葬儀はもちろん、密葬儀も初めての経験とのことで、皆真剣な面持ちでした。

つられて私も打ち合わせに引き込まれて、若手が確認し忘れている点を目ざとく見つけてはコソコソっと口を出してみたり。何度か経験しないと分からない、事前確認ポイントというのはあるものなのですよ。

若手は基本、裏方の任にあたります。でも裏方って、大変なのですよ。法要の流れを把握して、先の展開を考えながら効率よく動かなくてはなりません。その場になって、確認し損ねが発覚すると、一か八か、現場が合わせてくれることを祈りながら動くしかないということになります。

本葬儀ほどの規模になれば、当日その場になっても判断を仰ぐべき人間が裏方にもちゃんといます。でも、今回はギリギリの人数。裏方に入る人間の中に、自分の責任で指示を出せるほど年長という人もいません。つまり、事前確認がとても大事になってくるんです。

私は裏方経験があまりないのですが(ほとんど受付にいるから)、写真担当の回数もソコソコに多いため、法要の流れについてはだいぶ身についています。こちらも先読みをしないとポジショニングができませんから、流れを頭に叩き込むのはやっておいて当たり前レベルの準備ですから。

そういう視点からなら、裏方さんたちにもアドバイスができる、というわけです。

しかし、アドバイスをするなんて、私も年をとったもんだなと感じます。今までは判断を仰いで動く側だったのに。

法要は、生き物です。何回やっても、毎回同じやり方で、同じ法要が勤まるわけではありません。裏方さんは、毎回常に、その日その瞬間に合わせて瞬発力を持って対応をしていきます。今までそれをレンズ越しにみてきた経験からのみのアドバイスではありますが、明日の密葬儀に向けて、役に立つことを願っています。

思いがけない訃報

実は旅行中に、あるお寺のご住職の訃報を受けていました。宗務所の同僚が副住職を務めるお寺です。具合がよろしくないとは聞いていましたが、こんなに早いとは。

体調悪化を受けて、住職交代の手続きを予定よりも早めて進めていたのですが、それでも間に合わず。なんとも早い旅立ちとなりました。僧侶ですから、お互いに覚悟は出来ていたとは思いますが…

木曜日に密葬儀。つまり明日はお通夜です。同僚とはいえ教区も違うし、法系も異なることから本来ならば参列するのみとなるのですが、密葬儀ということで少人数で勤める都合上、受付の人員が欲しくなったということで、今日の打ち合わせから顔を出すことになりました。

用事があったので少し遅刻して到着しましたが、幸いにも話はまだ始まったばかりというところのようで、違和感なく入り込むことができました。宗務所に長くいさせていただいているため、違う教区とはいえありがたいことによく知ったお顔ばかり。安堵です。

隙をついてお悔やみのお線香をあげさせていただきました。そして無事に打ち合わせも終わり、たくさんの準備を抱えて帰路につくことに。とはいえ、密葬儀の場合は香資(いわゆる香典のこと)は辞退しますので、お金の出入りはほとんどありません。準備さえ整えておけば、当日はさほど忙しくありません。

なんて思っていたら、記録のための写真を撮って欲しいと頼まれまして、一気に忙しい気配が出て来ました。受付の準備ももちろんですが、カメラの用意もしなくてはなりません。家族で出かける時のような気軽さはありません。メモリーカードに予備バッテリー、カメラの設定、諸々確認をしておかなくてはなりません。

明日は宗務所で職員会議もあるので、うーん、どうしよう。朝早く宗務所へ出て仕事を片付け、会議終わり次第お通夜に急行、かな。受付は早めに座っていないといけませんので、ちょっと焦ります。

写真を撮るために荷物がグンと増えましたが、頼られるのは嬉しいものです。がんばりましょうね。

今日も東大寺

最終目的地は奈良国立博物館に設定。東大寺春日大社と回ってたどり着く予定で1日をスタートしました。

 

朝のうちは各駐車場とも空いていましたが、立地条件かあまりに良すぎる昨日と同じ駐車場へとめて、まずは東大寺へ。目指すは正倉院。内部は公開されていませんが、外観は見れるつもりでした。

 

ところが、なんと、平日のみの公開のため、近づくことすらできず。遠い柵越しにチラッと見える正倉院を覗くのが精一杯。教科書に載っている写真と同じ姿を見せたかったのに、残念。

 

そして、エリア内を対角線上に真反対へ移動して、春日大社をめざします。途中で東大寺の二月堂を見学。いくらでも建物があるのねぇ。

 

春日大社は真っ赤な柱で有名ですね。個人的に。東大寺と比べると、こちらの方が見せない部分は絶対に見せないという強いメッセージを感じました。ま、お寺って、基本的にはフルオープンであるべきだと思いますし、神社は神様が相手ですから気を使うことでしょう。

 

厄除け神社の折り重なるようにして奉納された絵馬が凄かったです。みんな、どれほど厄を怖がるのか。

 

そして残すは国立博物館!というところでしたが、ここでタイムアップ。明日は学校ですから、少し早く帰らねばなりません。残念ですが、また次の機会にお預けです。特別展も開催中で、良いタイミングだったんですけどね。

 

ちなみに、国立博物館は、東京、京都、奈良、九州の4箇所しかありません。4月には九州国立博物館へ行きました。今日、奈良へ寄れていれば、二ヶ所目を制覇だったんですけれど。こればかりはしかたありません。その分、東大寺春日大社もゆっくり回ることができました。楽しい二日間でした。

ちょっと奈良へ

ちょっと奈良へ 一泊二日の旅程で、奈良へ来ています。目的地は東大寺一箇所。子どもたちを柱の穴へ通すのです。

昼前に出発し、14時過ぎには近くの駐車場へ到着しました。よくよく考えたら三連休のど真ん中の日曜日。やたらと混んでいます。

ナビの駐車場情報を見ても、空きのあるコインパーキングはありません。いくつかある県営の駐車場も空いているわけはないでしょう。

さて、どうしたものか。JR奈良駅前のホテルを取ってあるのですが、そこへ車を置いて、タクシーで移動が早いかな。バスは、バス停に長蛇の列ができていたので避けたい。

タクシーに乗るにしても、東大寺付近からJR奈良駅へ移動してタクシー拾って…と考えると、東大寺に居られる時間はほとんどなくなってしまいます。

決断はお早めに。さあ、どうする。

そんなことを考えながら、とりあえず東大寺の方へハンドルを切ると、夢風ひろばというところを発見。発見というか、県営駐車場よりも近い位置なのに満車じゃない駐車場、ということで吸い込まれるように入りました。

満車になっていない理由は簡単。駐車場代が青天井。その代わり、広場内の店舗でお買い物をして2,000円以上になると、駐車場の精算機で使える2,000円分のコインをもらえます。

計算すると、2時間分の駐車場代にあたります。真夏の日中ですから、長居してもせいぜい3時間。それなら、お土産をここで買うことにすれば、実質1,000円ぐらいで駐車できることになります。

いいじゃないですか。これはいい。

そもそも、青天井であっても遠くのコインパーキングに停めてあることを考えたら数千円払っても惜しくない気持ちで居ましたから。タクシーを使えばもっとかかるわけですし。(5人家族なので、タクシー2台必要なのです…)

そんなわけで、あっさりと駐車場を確保して、大仏さまにご挨拶に向かいました。

観光客(あえて参拝客とは言わない)は多いものの、チケット売り場も混雑しているわけでもなく。スムーズ。私たちはミュージアムとの共通券を買いました。共通券専用チケット窓口はガラガラだったなぁ。せっかく来たならみんなミュージアムも寄っていけばいいのに。

目的を無事に達成し、お土産も少し買い駐車場を出るときには3時間が経過していました。ほぼ予定どおりです。お土産代で駐車場も2時間分無料になって、支払いは1000円ポッキリ。コインパーキングよりもお得になりました。

もう夕方なので、今日の観光はここまで。明日の目的地はまだ未定。本当に東大寺だけで良いものか、悩みどころです。

入出の夏祭り

夏祭りです。お神輿が出ます。ワッショイワッショイです。

入出の中を東中西の三つに分け、それぞれに祭典支部があります。三基のお神輿が出て若者が頑張っていたのですが、ありきたりな事情で一基だけの運行となり今年で3年目。三つの支部が協力して運行しています。

正太寺のある東部の支部長が同級生なので、一緒に担ごうという思いも無かったわけではないのですが、肩痛くなりそうだし、お盆前に痛めるのは辛いし、まあそこまでは求められていないだろうという勝手な思いも同時に持っていました。

改めて冷静になって考えると、お神輿とは、神様を担ぐわけです。入出のお祭りは神事という側面もありますが、地域行事という側面を大きく持っているので、信仰に関わらず参加できる雰囲気があります。が、住職の肩書を持つものが神様を担ぐというのはさすがに距離を置いた方がいいのではないかな、と思い至りました。

見る人によっては、複雑な思いを持つかもしれません。屋台を運行する秋祭りでは、「おっさまが祭りに参加してくれた」と喜んでくださる方も多いですが、お神輿の場合はどうだろうかと。お神輿を担ぐというのは、あまりに直接的ではなかろうか、と。

神仏習合は実は大変優れた宗教の受け入れ方だと思っていますが、とはいえ、住職がお神輿はさすがにちょっと控えた方が各方面収まりがいいと結論づけて、同級生にはそんな説明をして、理解してもらいました。そんなに気にしなくていいんじゃない?とは言ってもらいましたけれども。

それと同時に、PTAのお仕事で、お神輿の最終盤の時間帯から、補導に歩きました。入出ではお祭りだからと言って子ども達が非行のような行為に走るということもないわけですが、一応行うんです。今年に関しては、それもあってお祭りに参加はできないのでした。

でも、補導の為に祭典本部に集合したら、知った顔ばかりで盛り上がっていて、ちょっと早めに行ったのが大正解だと思いながら、大変楽しい時を過ごせました。やっぱり、お祭りは楽しいです。

家具購入計画

お寺の客間を、椅子席にしようと計画しています。今はコタツにもなる150cm x 90cmぐらいの机を使っています。座布団と組み合わせて、いかにもな感じの客間です。8畳間に可搬式の床の間を設置し、法衣などもかけてありますから、お寺の客間としてはかなり手狭ではあります。

手狭なのは致し方ないとして、お檀家さんの中でも膝を痛めて正座が難しい方が増えてきました。法事に集まれば、どのご親族でも一人二人は後ろで椅子やソファーに腰掛けて、という光景が当たり前です。

一般のご家庭で、お客さん全員分の椅子を用意するというのは無理な話ですが、お寺ではなるべく多くの方が椅子に座れるようにと構想は練っています。背もたれのないタイプであれば、いずれなんとかなりそうです。使わない時の収納場所がないので、常に本堂に出しっぱなしにはなりますが。

そんな構想の一環で、客間に椅子とテーブルを、と考えています。費用はこちらの方が圧倒的に安いので、先行して取り組むことになりそうですけれど。

畳のお部屋ですから、なるべく痛めないように脚に工夫のあるテーブルと椅子を探しています。今の所は、みのはんさんの製品かなぁ、と。お料理屋さんが畳の部屋へテーブル席を設ける際によく使われていますし、お寺さんでの導入事例も多いです。だいたいみのはんさんのものだと思いますよ。

でもよくよく考えたら、今使っているのもコタツですから、脚の跡が付いています。かなり軽量な机なのでいいのかもしれませんけれど、多少畳が凹むのを気にしないのであれば、ニトリとかにある普通のテーブルでもいいのかな、とも思います。

お値段かなり下げられますしね。ただ、見た目は重要ですよ。若夫婦の新居のダイニング、のイメージではお檀家さん受けが良くないと思います。

ずいぶん長いこと構想を練っていますが、引き続き、練りに練っておこうと思います。