書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

映画やドラマの効果音

砂利道を走る車のタイヤが奏でる音とか、ドアを閉める音、もっと言えばドアノブをひねる音。映画やドラマでは、そうした場面一つ一つに音が当てられています。現実の音そのままのこともあるでしょうし、いろんな道具を作って「頭がイメージする音」をわざわざ作っているというのも有名な話です。

時に誇張された存在であるそうした効果音が、とても好きです。その音をきっかけにその世界に引き込まれていくような、そんな感覚があります。

そういえば、曹洞宗の事務方である曹洞宗宗務庁の入るビルは、なかなか年季の入ったホテルです。ソートービルという安直な名前なその建物は、その名の通り宗教法人曹洞宗の所有物件であって、東京グランドホテルというホテルが運営されています。宗務庁で会議や研修があると、宿泊地としてそこが利用されることも多く、私も何度か泊まりました。

シングル一泊朝食付きで1万円前後と、結婚式場も備える都内のホテルとしてはお安い部類に入ると思いますが、設備はそれなりに古くなっていて、出来れば他のホテルに泊まりたいなど思ってしまうのですが、一つだけ好きな点があります。

部屋に設えられたクローゼット。シングルルームだと違うかもしれませんが、私が泊まったことのあるツインルームでは、観音開きのクローゼットがありました。

そのクローゼットを開け閉めするときの音が、ハリウッド映画に登場する古いホテルで聞けるような音なのです。楽しくてつい何度も開け閉めしたり。先輩と同部屋だったので限度はありましたが。

そんな私なので、日常生活のいろんな音を映画の世界の音にイメージ変換するだけで、その瞬間その瞬間を楽しむことができます。自分の出す足音でさえも、記憶の中にある効果音の足音に頭の中で置き換えるんです。それだけで、歩くのが楽しくなる。

感染症対策で、当面は外出自粛です。いったん感染拡大を抑え込まないと、次のステップに進めません。私はこの「効果音を脳内で自分に当てて楽しむ方」で、自粛生活に楽しみを見出そうと思います。