書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

クリスマス・イブ

イブですけどね、お寺はあまり関係のない暮らしをしています。子ども達が幼い頃にはイルミネーションもちょっとだけ飾ったりしましたが、今は小さなツリーを出すぐらい。

とはいえ、まったく関係なく過ごす訳ではありません。あまり関係がない、というだけです。日本のクリスマスはこういうものだよというのが伝わる程度には、クリスマス・イブをしています。ケーキを食べたり、ね。

誕生日の前日からお祝いするのはキリスト教の専売特許のように感じるかもしれませんが、実は仏教でも同じです。正太寺のお檀家さんでも、10数年前までは、お年忌の前日にお逮夜を勤めていました。お経を読んで、お念仏を上げて、お酒とおつまみを用意して。そうして翌日のお年忌の日を迎えるんです。

そうしたやり方は当然のこととしてお寺でのやり方に習っているわけでして、御開山様の毎年の命日に勤める開山忌では前日にお逮夜を勤めます。地方寺院ではなかなかできませんが、本山級のお寺では、お釈迦様の誕生日の前日にもちゃんとお勤めがあります。もっとたくさんの法要において、前日からお勤めがあるんです。

というわけで、それが仏教的な、イブ、ですね。

お祭りでも前夜祭がありますし、日本人にもしっくりくるお祝いの仕方ですよね。仏教において、他人の誕生日をお祝いしてはいけないという決まりはありませんから、どんどんお祝いしましょう。仏教以外の教えに傾倒することは戒められていますが、今の日本に生まれ育ったら、クリスマス・イブをお祝いしても、キリスト教に傾倒する方はそうそういませんし、仏教徒と自認されている方ならなおのことですので、心配いりません。ミサに行って雰囲気を感じるのもいいでしょう。仏教や神道との違いを肌で感じるのもいいですよ。自分の心の支えとなる信仰を見つけるきっかけとなるかもしれませんね。