書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

交流会から一夜明けて

昨夜の余韻が冷めぬまま、宗務所へ。今日は開いてないのですが、やらなければならない仕事があるのです。一人ぼっちの宗務所。でも電話も鳴らず、来客もなく、平和です。


来週月曜日の会議に使う書類を準備するのが、今日の仕事。本当は今週月曜日の当番日に作成するはずだったのですが、葬儀などがあったために欠勤していたため、今日の出勤となったのです。ようやく、時間が出来たというわけです。


書類を作成することになったのは、先週月曜日の帰り際のこと。それから2週間の時間があるというのに、ふたを開けてみればチャンスはこの1日しかなかったというのは、お寺という仕事の予定の立たなさを象徴していますね。


お寺にいながら作れる書類なら良いのですが、宗務庁のサーバーへアクセスして情報を得る必要があり、やたらとセキュリティが強化されていてアクセス出来るのは宗務所内のPC、それも一台だけなのです。リスト表示したデータを印刷することもファイルに書き出すこともできません。だからどうしても、宗務所に出勤する必要があったのです。


たしかにまあ、個人情報も含むデータなので扱いに神経質になるのは分かります。今日扱ったのは寺族さんのデータ。住職と生計を共にする僧侶以外の存在を寺族というのですが、一般的にはもっと狭義の意味で用いて、たいていは住職の妻となり、寺族得度をしている者、ということになります。


生年月日の入ったデータでしたので、あんまり外部に漏れて欲しくはないでしょうね。


ところが、同じように保護されたデータとして、僧侶のデータがあります。教師としての位はもちろん、履歴書に書くような内容がびっしりと詰まっています。


でもこれって、そんなにも保護しなくてはならないデータなのかなぁと、以前から疑問でした。私としては、僧侶というのは社会的には公人に分類されると思うのです。お寺の住職である比率もかなり高く、お寺とイコールで語られることも多いです。お寺は宗教法人であり、公益性の高い法人であるとして、税制面でも部分的に優遇されています。


それならば、僧侶の個人情報なんて、プライバシーとして保護される対象にはならないと思うんですよね。それこそ、一般の方が「あそこのお寺の檀家になりたいけども、住職がどんな人物か知りたい」そう思ったときに、サクッと検索して調べられなきゃいけないと思うんです。


履歴情報だけで人物を判断されても困りますけれど、重要な判断材料であることに間違いありません。宗務庁のサイトから僧侶名もしくは寺院名でススッと検索出来てしかるべきと思います。


そしたら宗務所としても、いちいち管内所属僧侶の個人データなんか保管せずに、全部宗務庁のサイトにアクセスして処理出来てしまうというのに。楽で良いのになぁ。


住職になれるほどの資格を備えた僧侶になったならば、過去のことなんて、隠すに値しません。恥ずかしがる必要なんて無いんです。だって、官長猊下曹洞宗のトップ)から認められてるんですから。


そんな資格、書類とコネだけでどうにもなっちゃうって?そんなザルなシステムではないと信じてますが、もしそうであれば、僧侶の個人情報を保護する前に、やるべきことがあると思いますよ。