書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

やる気の出るお説教

總持寺の瑩山様」という本があります。總持寺ホームページでも読むことが出来ます。瑩山様とは、永平寺と並ぶ曹洞宗大本山總持寺をお開きになった禅師様です。正太寺にも一冊ありますので、久しぶりに読んでみました。これを読むと、瑩山様は一般の人へのお説教がとてもうまかったようです。


話し上手だったのか、中身がすごかったのかは分かりませんが、聞いた人が喜んで帰って行って、また次から次へと聞きに来る人がいたというのですから、きっと分かりやすくて、内容もありがたくて、聞いていて元気が出る、明日に希望の持てるような話だったのだと思います。


自分を省みると、不安になります。お年忌のたびになんとかかんとかお説教をしています。自分なりに話を練って、伝えたいことを一所懸命お話ししています。でもそれを聞いて、元気が出るかというと疑問です。


伝えたいばっかりじゃ、耳に入らないかもしれないんですよね。今はまだ、年が若いから、若い和尚がどんな話をするんだろうという好奇心もあって聞いてくださる方もいるかもしれません。でもあと数年で、私もそういう年代ではなくなります。引き込まれるような話でなければ、誰も聞いてくれなくなり、右の耳から左の耳へと抜けていくだけのものになってしまうかもしれません。


とても不安になります。


最近話している内容を、聞いていて元気が出るように話にはどうすればいいのだろうと、朝からずっと考えているのですがなかなか良い方法が見つかりません。難しいです。
「そうなのか。では明日から、いや今日からでもそう心がけてみよう。」そんな風に思ってもらえるお説教が出来るように、精進あるのみです。