書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

お墓を封印?

お年忌の時に、お舎利さんを納骨することが時々あります。正太寺の場合はだいたい一周忌にあわせて行うことが多いです。自宅での法要を終え墓地へ移動し、お舎利さんを納骨する段になって「あっ」という事態が起こりました。


なんと、お墓があかないんです。多くのお墓は、水鉢のところが取り外せるようになっていて、そこからお墓内部へお骨を入れることが出来るようになっています。ところが、水鉢が外れないんです。お墓のデザインによっては他の部分が可動するようになっている場合もありますが、お施主さん曰く、前回の納骨の時には確かにそこからお骨を入れたとのこと。でも、内部に水も入らないようにきっちりと貼り付けられています。


これでは納骨できません。さらにお施主さんが言うには、石屋さんから「ふさいでしまって良いですか?」と聞かれたことがあるとのこと。それで「はい」と答えたようなのですが、具体的にどこをふさぐのかはあまり分かっていなかったとか。実はこのお墓、新しく建てたお墓なんです。ですから、お墓についての知識はほとんど無かったはずですから、それも致し方なのないことです。私だってまだまだ勉強中なのですから。


それでもわざわざ石屋さんがそう聞くと言うことは、そういう需要があると言うこと。また、お施主さんから聞いた言い回しの通りであれば、それが当たり前であるように最近はなりつつあるのかもしれません。


正太寺で普段お付き合いしている石屋さんからはまだそういうことを聞いたことがないのですが、どうなのでしょうか。その場で持ち上がった推測では、骨泥棒が入らないようにではないかというのが有力でした。私も骨泥棒という存在についてはどこかで聞いたことがありますから、それもあるのかもしれませんねぇ。



いずれにせよ、その日は納骨をしようがなくなってしまいました。石屋さんにあけてもらわなければ、どうにもなりませんもの。もし本当に骨泥棒とか、そういったものの侵入を防ぐための方策だとしたならば、住みにくい世の中になってしまったものだと言わざるを得ませんね。残念なことです。