書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

夜警最終日

第7分団の平成28年度の夜警も、今日が最終日です。7分団では、初日と大晦日、そして最終日は三役が務めることになっています。いつからか知りませんけど。

初日はクリスマス。部長がサンタの帽子をかぶって登場してくれました。大晦日は忘年会を兼ねて賑やかに。三役はポンプ車に乗る都合でアルコールは飲めないわけですが。あ、私は飲まずにいるので、副分団長はその分飲んでいたかな。いつも頼りっぱなしなので、この時ぐらいは。

最終日の今日は、何のひねりもありません。淡々と、淡々と。

そしたら、23時近くになって訃報が飛び込んできました。しかもやや遠方。夜警中ですのでやり取りは東堂にお任せして、0時夜警終了後、帰宅して詳細を確認しました。

まだ一度も自宅へ伺ったことのないお檀家さん。折々に触れて、顔を合わせたことはあるかもしれませんが、さすがにどなたなのか分かりません。そういうお檀家さんが他にも数件ございます。早く皆さんと顔なじみになりたい。

日取りは明日明後日というか、今日明日というか。ちょっとややこしい時間帯ですね、今。

明日も宗務所へ行く予定でしたが、それはキャンセルして、ご葬儀の準備に午前中を費やし、その後、移動。1時間半ぐらいのようです。この距離ならお通夜の後に帰ってくることも出来るけれど、最近の体力の無さを考えると泊まってしまう方が手堅い選択かもしれません。何と至近距離にルートインが…

まあそれはともかく、支度です。お戒名を考えなくては。顔も存じ上げない方のお戒名。家族からの聞き取りも、この時間からではさすがにどうにもならないし、朝になってからかな。最近は書き物が早くなったので、支度にかかる時間は短くなりましたが、それでも昼ごろまでに終わらせなくてはと思うと気が焦ります。

今は少しでも早く寝ることの方が大事に思えるのに、頭は休もうとしません。こういう時が一番辛いですね。その後辛くなるのが目に見えているのに、休めないというのが。

お役僧さんの手配もしなくては。組寺のみなさんはもう一軒お葬式があるので身動き取れないはずだし、さて、どなたにお願いしようか。こちらも難問です。時間もないし、 さあ!さあ!

全然ねれない。

宗務所日記

通告質問、みたいな書類を作りました。

3月に、東京にある曹洞宗宗務庁に宗務所の実務担当者が招集されますが、その際に質問事項と要望事項を出せるのです。事前に文書で提出することになっていますので、なんとなく議会の通告質問みたいな感じ。

1泊2日の日程の、一番最後の枠で回答をしてもらえますが、はぐらかされたり、見当はずれな内容だったりすることもあるのも、なんとなくイメージに適っているような。

事前に文書で出しているのに、回答が口頭だけというのもよくよく考えたら不誠実な話だとも思いますが、宗務庁は曹洞宗の中では行政の立場になるので、さもありなんというわけです。同意はできませんが、理解はできます。

そんな扱いをされる質問事項と要望事項、私は毎年欠かさず提出しています。最近ではこれだけが楽しみだったり。

2日目は、そこに至る枠は書記さんに任せることはありますが、この時間帯だけは必ずその場にいるようにしています。だいぶ技術も発達しましたので、スマホでビデオ中継してもらってもいいかななんて思いもしますけれど。

今年はそれを試してみようかな。所長に何やってんのと叱られるよなぁ。当たり前に。

この質問も要望も、考えるのはなかなか簡単ではありません。簡単に答えが見つかるような事柄ではいけませんし、要望するにしても、実はすでにある程度叶っているようなことでは、無知をさらけ出すことになってしまいます。何しろ、回答は口頭なのに、質問内容は出席者に簡易冊子の状態で配布されるんですから。名前も出ますし、所属も出ます。

今回も、質問にしろ要望にしろ、これを見れば大抵の手続きは書いてあるという曹洞宗宗制という曹洞宗内での法律のようなものですね、分厚いこの文書と首っ引きになって確認をしました。今のこの時期、予算編成のことを除けば、暇なんです。じゃないとこんなことしてられませんから。

無事に文書が出来上がりましたので、職員に目を通してもらって、修正や追加がなければこのままFAX送信という流れになります。これもいい加減、メールで書類を受け取ってメールで返信という、手っ取り早い方法に切り替えてもらいたいですが(昨年、この件だけではなくもっと広範囲の事柄で要望を出し、実際にそれに向けて動いている気配はあったのですが、いまだ実現されず)。

宗務所内では、かなり電子化が進んでいます。管内のご寺院さんとのやりとりについても、色々と考えていることはあります。最も、ご住職方の年齢層を考えると、これらを電子化するような真似は、まだまだ控えた方が良いでしょうけれど。

今、ようやくFAXが全盛の世の中となりました。この分だと、あと20年ぐらいすれば、電子化できるかもしれませんね。可能性があるだけありがたいですが、その時に私は関われないのはちょっと残念です。

役員さんと新年会

お寺にお世話人さん、婦人部の役員さん、正太寺では合わせてお寺の役員さんと表現しますが、このお寺の役員さんたちと、新年会を催しました。

年に二回ある正太寺のお祭り、春、弘法様の山開き、冬、稲荷様の例大祭、それぞれのお祭りが終わると、本堂でたすき脱ぎを行なっていました。仕出し料理を並べて、お酒も出して、賑やかに行なっていたのですが、車でお手伝いにいらっしゃる役員が増えるにつれて、飲酒運転の懸念が出てきました。

みなさんにそれぞれに気にかけていらしたとは思いますが、それならばいっそのこと、安心してお酒を飲める場所を設けようということで、たすき脱ぎはやめにして、年に一度、新年会を行うことに。

お店から送迎バスを出してもらって、入出の中を巡回。これでみんな安心してお酒を飲めます。

私から簡単に挨拶をして、すぐに総代さんの音頭で乾杯。開始時刻からわずか2分ほどで宴会に突入です。総代さんが率先して声をかけてカラオケも賑やかに。本来なら私が声かけをしなくてはならないのに、総代さんのおかげで楽をしてしまいました。

今年からは母に代わって妻も参加。まだまだ顔をあわせる回数は多くありませんので、こういう場を利用して、ちょっとでもいろんな役員さんとお話ができるようになるといいのですが、今日の成果はどうだったでしょうか。お酒を注ぎに回ったりはしなくていいよと言っておきましたが、かえってそのせいで難しかったかも。ただ、私が考えるお寺の奥さんの仕事は、それじゃないですから。

ポツポツと雨が降りかかる帰り道。それでも本降りになる前にみなさん多分、自宅に帰りつけたことと思います。ギリギリセーフ。

婦人部の役員さんの中には、この春、交代される方もいますが、引き続きの方も多いです。来年もまた、楽しみましょう。そして今年も一年、よろしくお願いいたします。

教区人権学習会

年に一度、教区長さんの招集で、人権学習会を開いています。宗務所からも人権主事さんがアドバイザーとして参加してくださいます。ご苦労様です。

今回は過去帳に関しての学習会。過去、差別戒名が大きな問題となりました。被差別部落の方々が亡くなると、それとわかるような戒名をつけるんです。今の感覚で思えば絶対にありえない事なのですが、それつまり、当時はそれが当たり前というぐらい差別意識が染み込んでいたことの証です。

自分がその当時にその立場にいたとして、疑問も抱かずに差別戒名をつけるような和尚であったかどうか、考え出すと不安な気持ちにもなりますが、曹洞宗の教えはその頃も今も、もちろんそれ以前からも、基本となるところは何も変わっていないのですから、真面目に修行に取り組んでいれば、必ずそこに疑問を抱いたはずだと信じています。

そうした過去があるため、過去帳というのは、見る人が見れば、余分な情報を提供してしまいます。正太寺の過去帳には差別戒名が登場するかしないか、たったこれだけの全体像の情報ですら、人によっては有用なのです。

未だに被差別部落出身者への差別が根強く残っている地域があります。未だに、です。結婚の時には相手方の身元調査は当たり前。それを請け負った業者からすれば、あそこのお寺の檀家には差別戒名がない、という事実だけでも、調査対象が被差別部落出身者ではないという証明になります。

その証明で持って安心して縁談を進めるということは、その時点ではっきりと被差別部落民を自分たちとは違い人間だと、差別しているんです。

お寺がその差別に加担するわけにはいきませんから、過去帳は原則住職以外閲覧禁止。住職の妻であっても、住職同様に人権学習を重ねていなければ閲覧禁止です。

というわけで、たとえお檀家さんが自分の家の家系図を作りたいと考えても、基本的にはお寺の過去帳を見せることは出来ません。戒名の部分を除いて、代々の俗名と続柄を口頭で伝えることはできるかもしれません。

でも正直、そこのところの判断は難しいです。自分の家の家系図を作りたいと思って、最も記録が残っていると思われるのはお寺の過去帳というのは、確かなことかもしれません。戒名だって、本来であれば当然、その家の者であれば知っているはずの情報です。お寺から提供するのになんら憚るところはないはずなのですが。

わざわざ調べ上げたものを、話の通りに家系図として使うのならいいのですが、しかしそれがそのまま、自身や家族の身元証明として使われてしまったら、お寺が差別に加担したことになってしまいます。

ケースバイケースでよく話し合って答えを出すしかありませんし、もしお檀家さんとの間でも、こうした人権問題の存在について、常日頃から様々に話をしていれば、身元証明のために家系図を作ろうという発想には至らないはず。やはり、普段からの取り組みが大切ということになります。

なかなか根が深い人権問題です。心の弱いところを突かれないように、お檀家さんと一緒に、常々心がけをしていかなくてはなりませんね。

宗務所日記

毎年恒例の一泊東京出張。日取りが決まりました。

曹洞宗の事務を統括する、曹洞宗宗務庁。宗務庁は年に一度、全国の宗務所に招集をかけます。対象は、所長と実務担当者。所長はともかく実務担当者って誰じゃいという思いもありますが、職員の中で誰か一人来てください、という意味です。

例年10月頃に日程の内示があり、1月に入ってから本決まりとなります。私が宗務所に入ってから、一度として内示から変更になったことはありませんが、それでも本決まりになるまでは、ホテルの手配もなかなかできません。

今週に入ってから旅行社を通じて手配をしましたが、キャンセルが効くかどうかは常に確認が必要です。それもこうして本決まりの通達がきたので、安心して確定できます。

ちなみに、第四宗務所では、出来る限り全員で出張します。毎年宗務庁から実務担当者に向けて細かなことまで事務に関する説明がされます。新たに始まることもあれば、変更になることもあります。それらを代表者が聞き取って、後々職員間で共有すれば出張者は最低限ですみますが、やはり自分自身で聞くのとは差が出るんです。

そんなわけで、全員で聞いて、さらにそのあと、全員で確認をするのです。それでも抜けてることが出てくるんですけどね。

そんなこんなの宗務所お仕事。今年は宗務庁からどんな話が出るのか、楽しみです。

相変わらず体調がすぐれない中ではありますが

妻とランチに行くぐらいのことはしております。出かけるときに若干の不安は抱くんです。途中で頭痛がひどくなったらどうしようと。でも多分、楽しい時間は頭痛のことを忘れさせてくれると思うんです。事実今日は、それでしのぐことが出来ました。

久しぶりに薬を飲まなかった日になりました。頭痛の原因をパソコンに向かう姿勢だとほぼ断定して改善を施してから4日。これぐらいで収まってくれるなら御の字です。

ひと月に渡って続けた姿勢ですから、もっと大きなダメージを受けていてもおかしくなかったんですが。

それにしても、昔はどんな姿勢でパソコンを使っても平気だったのですが、これも歳でしょうか。何でもかんでも歳のせいにしちゃいけませんが、つい、そう考えたくなります。

少しは強靭な肉体が欲しいです。

宗務所日記

予算編成の都合上、しばらくは毎執務日出勤となります。常に他の主事さんと顔を合わせていないと、組みづらい部分があります。

今期宗務所も任期が残り2年。2期目の庶務主事としてましも、もうひと仕事何かしておきたい気持ちはあります。目立って名を残したいとかではなく、後に続く人がちょっとでも楽ができるように。

何が出来るだろうかと色々考えるのですが、時間のかかることばかり思いついてしまい、困っています。2年で区切りをつけるところまで進められるか心配。中途半端にしてしまっては、後の人にとっては迷惑でしょうから。

本当は今までの2年間で何かしらのことが出来たはずだったんです。主事の中でただ一人の2期連続。引き継ぎをする必要もなく、仕事の流れも理解していて、最初から全力疾走できる状況だったのに、分団長の任で随分狂わされました。引き受けたことに後悔はないですけれど、もっと何かをできたはずという悔しさは若干湧いてきます。

しかしまだ2年あります。行事が目白押しであっという間に過ぎてしまいかねない2年ですが、そうならないように、新しい年度が始まる前のこの段階で手をつけ、「とっかかり」という最初の壁を乗り越えたいと思います。

さあ、何しよう。どれにしよう。思いついたこと全部やりたいけれど。