開催時期が決まっているわけではないのですが、5月の開催が多いような気がする東海管区の人権啓発研修会。各種行事に気を使っていると、この時期ぐらいしかないという事情があります。
今日は、名古屋市内にある建て替えられたばかりの永平寺名古屋別院本堂で開講式を行い、すぐさまあま市の人権ふれあいセンターへ移動。こちらで現地見学と愛知県における部落差別の過去と現在について学習をしました。
管区の人権啓発研修会で部落差別を取り上げるのは数回ぶりになるような気がします。最近、他の差別事象を扱うことが多かったかなぁ。
曹洞宗が人権問題に取り組むようになったきっかけは部落差別ですので、1任期4年の宗務所職員を10年もしている身にとっては、原点に立ち返るような感覚も覚えます。
湖西市では目立ちませんけれど、全国的には現在進行形で部落差別があるんですよ。分かりやすいところでは結婚の時。相手の家がとかを気にすることは、よくあったことです。お金持ちとか、良い家柄であればラッキーだと喜ぶぐらいならましなのかもしれません。部落出身かどうかにマトを絞って身元調査をするなんてことが、現実にまだ存在しているんです。
逆のケースもあって、部落出身ではないことを証明することを目的として、家系図を作成することもあるんです。それは結局、自分と部落出身者を違うものとして捉えているということで、差別意識の表れです。
我が穴水家のように、私から数えても4代前から先(つまり曽祖父より前)は全く不明といううちもあるのに。
部落差別が激しくない地域にお住いの方でも、よそ事として捉えてはいけません。普段何気に考えていることが、実は部落差別の構図と全く同じようにして差別をして捉えているということだって、あるかもしれません。
今現在そうでなくても、将来もしかしたらそういう考えにとらわれるかもしれない。その時に、「あっ、これは差別だ。相手を苦しめている。」と気づけるようにするためにも、学習は必要です。
より良い未来を求めるのであれば、過去を学ばなくてはなりません。人権問題も同じです。
というわけで、研修はまだ明日も続きます。明日は座学ですので刺激という面では少し控えめですが、いろんなことを貪欲に吸収したいと思います。
写真は現地見学の一コマ。真っ当な集団にはとても見えません。