隣寺の先代様がご遷化され、あと十日ほどで本葬儀となります。私は隣寺の住職ということで、密湯を捧げる大役を授かりました。
導師が5人いるとも言える儀式ですが、序列で言えば3番目。私では力不足であることは間違い無いのですが、隣寺住職というのは、慣例につき否応なくそういう立場になるものなのです。
私も母の葬儀の際には同じように隣寺の和尚にお願いしましたしね。お互い様でもあります。
さて、この儀式、香語(漢詩)というものを唱えなくてはなりません。一般の方の葬儀の際に、引導法語で導師がお唱えするような内容ですが、すでに十分に修行を積んだ大和尚に対するものですので、仏法を説くというよりは、単純に別れを惜しむ内容になります。
それでいて、私の後に出番のくる上位お二人の導師よりも控えめでなくてはなりません。塩梅が難しい。当日その場にならなければ、お二方がどんな内容のものを用意してきたのかも分かりません。長さの兼ね合いもあります。私が一番長くてはいけないのです。
私の力量では一から作成するのはまだ難しいため、過去に実際に使われた香語や、書籍に掲載されている例を参考に組み立てていくのですが、それだけでも難しい。日本語ならまだしも、漢文ですからねぇ・・・
仏教伝来の歴史を鑑みれば仕方のないこととはいえ、どこかのタイミングで日本語にならなかったものかと不思議でなりません。
そんなわけで、私の傍には、何冊もの参考書籍が積み上がっています。どうしようこれ。出来上がる気がしないよ。
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