書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

意外に物持ちはいいんですよ

ヤマハシンセサイザーを持ってるんです。キーボードタイプの。買ったのいつだろう。CS2-xwikipediaで調べたら、1998年発売ですって。大学四年の時か、卒業して修行から戻ってしばらくしてからか。そんなタイミングで買ったんだと思います。具体的には覚えてませんねー。

今2016年。ざっと18年が経っています。…数えてちょっと恐ろしくなった。

ちゃんと動きますよ。未だにすぐ使える場所に置いてあり、昨年からピアノ教室に通い始めた娘たちが時々練習に使っています。息子は恐ろしい音楽を奏でています。

普段の練習は、ピアノを使っています。私が子どもの頃、しつこくしつこくねだり続けて買ってもらったピアノがあるんですよ。よく買ってくれたものだと、今なお不思議です。お金はあんまりなかったはずなんですよ。跡取りとしては考えていなかったという三男坊が、将来はピアニストにでもなってくれるんだろうかと、ほんのチラッと考えてしまったのかもしれません。

幼稚園の頃から、どこかからかいただいて昔からうちにあったオルガンで弾き語りをしていましたので、ピアノを習うかい?と母に聞かれた時には、多分あまり悩まずに返事をしていたんだと思います。結局、先生が怖くて、ピアノのある部屋が寒くて(基本的に物置部屋)、だんだんと練習時間も減っていってしまったのでした。結局、中学で吹奏楽部に入ったのを理由にして、やめてしまったのです。確かに吹奏楽部で練習し、帰宅した後にピアノの練習をする時間はありませんでしたし。

そんな、とても中途半端な思い入れのあるピアノに、娘たちがようやく興味を持ってくれたので、二つ返事でピアノ教室に通わせてから初めての冬。

やはりピアノのあるあの部屋は寒いのです。夜になってからの練習では風邪をひいてしまいそうなので、シンセサイザーをピアノ代わりに弾く機会が増えました。

鍵盤の感触が全然違うので、本当の意味での練習にはならないのですが、運指の練習ぐらいにはなります。指の力はつきませんし、力の入れ加減も体得できませんけれど、ただ、寒い部屋での練習によって、ピアノに対して後ろ向きな印象を持ってしまう結果を生むよりは、良いと思うんです。

そして今日、そのシンセサイザーのために新たなアイテムを注文しました。キーボードスタンドと、椅子です。現在は、ローボードの上にシンセサイザーを置き、子どもたちは立膝をしたりと微妙な体勢で弾いています。使用頻度が高まるにつれ、これは問題だと認識しました。

置いてある部屋も、ピアノの部屋よりはマシですが、リビングとは違うので部屋を暖めてかからなくてはなりません。暖房費がもったいない。

そこで、リビングの一角を片付けて、そこに設置することにしたのです。キーボードスタンドと椅子を使って、ちゃんとした体勢で練習できるようにと。

リビングであれば、オイルヒーターでやんわりあったまっていますので、いつでも弾くことができます。シンセサイザーですから、ヘッドホンをつければ鍵盤のペコペコという音ぐらいしか発生しません。静かにしたい時であっても練習できます。

先ほど、つまりかなりの夜分に発注しましたが、明後日には配送になる予定です。ということは、それまでに部屋の一角を片付けなくてはなりません。やや大きいものを動かさなくてはなりませんので、ちょっと大変。

私の音楽制作をしたいという思いから購入したシンセサイザーは、結局ついぞ真面目に取り組むことなく、見るたびに切ない気持ちを呼び起こす存在になっていました。でもこれからは、きっと、子どもが楽しく練習するための相棒になってくれると思います。いろんな音が出せる楽しさもありますし、音楽の楽しみ方の幅も広げてくれるんじゃないかと期待しています。

購入して多分18年後にして、ようやく、買ってよかったと思える日が来そうです。