書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

寺族研修会にて

宗務所主催にて、寺族研修会が開催されました。管内寺院に所属する寺族さんを対象にした、年1回の研修会です。今回は袋井市可睡斎様をお借りして、精進料理を中心とした研修でした。


可睡斎様は、遠州音霊場会にも加わっている、中部地方では有名な曹洞宗の修行道場ですが、私は訪れるのが初めてです。今回の楽しみの一つでした。


生憎の雨の中、可睡斎様にバスで乗り付けると、受付ではよく見る和尚様がお出迎えくださいました。実は可睡斎様には、役寮として管内寺院から3名の住職が勤務しています。そして斎主(通常のお寺の住職)は、つい最近まで管内のお寺の住職を務めておられた方です。


というわけで、第4宗務所としてもご縁の多いお寺さんなのです。


そんな可睡斎様におきまして、まずはご祈祷をしていただき、その後、法話、昼食、そして典座和尚さんのお話という日程で研修を行いました。昼食は、精進料理。最近の可睡斎様の精進料理は、ちょっと有名なのです。


精進料理ですから当然肉類魚類は一切無いのですが、とてもおいしいお料理でした。味の善し悪しは論ぜず、ただありがたく頂くのが仏教における食事なのですが、これはとてもおいしいのです。そしてこの精進料理を作る仕事である典座和尚さんのお話を、引き続き伺ったのでした。


冒頭でお話しされたのは、何か問題行動のある子どもたちが、しっかりと再起する家庭の特徴は、母親が愛情のこもった料理を毎食しっかりと作っている、ということだそうです。素直に気持ちを表現しないやんちゃな子どもたちが、文句を言いながらもご飯を食べ、最後ににこっと笑うんだそうです。そうした環境があれば、たとえ一度は道を踏み外しても、ちゃんと戻ってくる、というお話でした。


家庭環境によって、料理を作るのが母親でも父親でも構わないとは思いますが、ちゃんと親が、インスタント食品に頼らずに、自分の手で手間暇かけて(出汁からしっかり取ったり)作るのが要所。味ではなく、手間と愛情。


ついつい外食を楽しみに生活してしまう私には、耳の痛いお話でした。寺族さんたちも興味深く聞き入っていました。料理と子ども、両方とも関心の高い事項でしょうし。


中身の濃い一日でした。ご祈祷も、可睡斎様のはまた特徴がありまして、興味深くお参りできました。いやぁ、ほんと、中身が濃かったです。今回、起案から当日の司会まですべてを担当された人権主事さん、お疲れ様でした。良い一日を、ありがとうございます。