書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

お盆も半分くらいは過ぎたでしょうか

新盆施餓鬼を行いました。今年新盆を迎えられる仏様のご供養です。遺族親族に集まっていただき、仏様一人一人順にご供養のお経をお唱えしていきます。ですから、時間がかかります。仏様一人あたり、今年はだいたい7分でした。12件の新盆でしたから、84分。時間は午後1時。一番暑い時間帯に、本堂がびっしり埋まるほどの人が集まって、近隣の住職方4人をお招きしての法要でした。


いくら屋根があるとはいえ、人がびっしりと集まった本堂の中は、とても暑いです。その中で、順番を待っている遺族の方々も大変です。我々もしんどいですけれど。
近年、これを短縮できないか、という話に良くなります。


たとえば1回のお経で、その間に全員にお焼香をしてもらえば、ご供養したことにはなります。いくらお焼香の列が長くても、30分もあれば終わってしまいます。
新盆施餓鬼は長時間かかるため、いわゆる水向けと呼ばれる山門大施餓鬼とは別の日に行っているのですが、30分で済んでしまうとなれば、同じ日に行うことも可能です。
お参りの方も一度お寺に来るだけで済んで、手間が省けます。


手間のことばかり言ってはいけないのですが、忙しい現代、ついそういう方向に行ってしまいがちです


でも。
でもですよ。
新しい仏様を丁寧にご供養したいという気持ちがあります。
また、これだけの人数の住職方に、一人一人法要を営んでいただけるという機会は、葬儀をのぞけばおそらくこの新盆施餓鬼しかありません。
非常に得がたい機会なんです。


その仏様にとっては一度しかない、そして一つの区切りとなる初盆です。丁寧にご供養することに、「暑い中長時間はつらい」という気持ちではなく「こうしてご供養してもらえることはありがたいことだ」と感じていただきたいです。


感謝の押し売りにはなりたくありませんけれど、でも、すごいことなんですよ。
そう思ってもらえるような布教をしていかなくてはいけませんね。