書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

食事代の行方

法事などで食事代をいただくことがあります。法事のあとには、ごく近しい家族だけでという場合を除けばたいてい食事の席が設けられていて、私ども和尚もご一緒にと呼んで頂けます。それは大変ありがたいことですし、また親戚ぐるみでお寺とお付き合いいただけるということですから出来るだけご一緒させて頂くのですが、都合でやむなくお断りすることもあります。


そんなときに、お食事代という形でご準備してくださるお施主さんもいらっしゃるんです。和尚としては、それはお布施と考えて、ありがたく頂戴するわけです。



ところでその食事代、その後どうなるかと言うと、額面通りに食事代に使われることはありません。もし使ってしまうと、税金がかかってきてしまうのです。税務署から見ると、宗教法人であるお寺から食事代分だけの金額の給料が和尚個人に支払われて、それを個人が使用した、ということになるんてす。つまり「月給プラス食事代」ということになり、これは個人の所得です。所得ですから当然所得税がかかってくるわけです。


(お寺は税金払わなくて良いとよく言われますが、それはあくまでも宗教法人格を持った「お寺」の話であって、和尚個人は他の誰もと同じ「個人」ですから、お金を受け取れば同じように税金がかかってくるんです。)



納税は国民の義務ですから、税金を納めることに異論はありません。食事代の扱いも理屈としては理解できます。でも、食事代というのは「これでお食事をしてください」という気持ちのこもったものだと思うんです。それなのに、その気持ちを頂こうと思うと税金がかかってきてしまうなんて。しかもそんなことして毎月の給与額が変動したら、確定申告が複雑なことに・・・(なるんですよね?まだ今は住職の仕事ってことになっているのでよくわかってないんですが。)


食事代をいただいて、こんなことを考えてしまいました。無理に食事に使わなくてもそのままお寺に残しておけば、維持・管理に使うことが出来るんですからそれはそれでお寺のためになっていてとても良いことなのですが、お施主さんの思っている使い方とは違うよな、そんなことが気になってしまいまして。


難しいですね。