書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

震災から一年

東日本大震災から一年が経ちました。あの日、為す術もなく命を失った多くの人たちに、謹んで哀悼の意を表します。


その瞬間、私は東海道新幹線に乗っていました。沼津を過ぎた辺りだったようです。地震の揺れは感じず、新幹線が速度を落とし、とうとう停車してしまったのを不思議に感じる程度でした。


私はたしかiPhoneでビデオを見ていたんです。減速する新幹線。しかし駅が近づいてくる気配はありません。


停車してしまった直後に、車内から「止まっちゃったね」という声が聞こえてきて、異常事態であることは認識できました。しかし、原因はさっぱり分からず。


ツイッターをチェックしてみると、どうやら地震が発生したらしいと。ずいぶん大きな地震と言うことは分かりました。その影響で新幹線が自動停車したであろう事も推測できました。


私の関心は、地震の被害が少なければ、という思いと、逸新幹線は動き出すのだろうという思いが半々ぐらいだったと思います。


その後もツイッターで情報チェックを続けます。ヤフーのトップページに載るニュースでは速報性が低く、現状把握には足りませんでした。生の声が一番です。


次第に規模の大きさを想像させる情報を見かけるようになりました。たしか、この時点で映像も見たように思います。どこのサイトだったのか、どういう経緯で見たのか、思い出せませんが、たぶん見たんです。そして息をのんだ。


想像を超えるというのはこういうことを言うのかと、ただ唖然と眺めているしかない津波の映像です。


曲がりなりにも静岡県人。幼少の頃から東海地震に備えて頻繁に訓練を受けてきました。しかし、その訓練では大津波を前提にした内容は、何もなかったように思います。あったとしても、この津波に前では何も役に立たないであろう、と。


幸いにして2時間ほどで新幹線は再び動き出し、たしか20時過ぎにはお寺まで帰ることが出来たと記憶しています。


私は無事だった。でも、無事じゃない人がとてもたくさんいた。昨年の今日は、そういう日でした。



今夜は湖西市の沿岸地域で、大津波を想定した避難訓練が行われました。正太寺も新たに避難地に加わったので緊張していたのですが、想像とはちょっと違って、駐車場で班長さんが各世帯の避難を見届けて書類を提出してもらい、終わりになってしまいました。


家族みんなで避難してきた人たちを本堂に迎え入れて、しばらく話をする時間が合ったりして、そしたらお寺が避難所になることを想定して、どんな備品が必要か聞き取りをしようと考えていたのですが、完全に肩透かしでした。


いいのかな。
これでいいのかな。


私はとても心配です。