おときに伺ったお宅にて。
私が縁側から上がり、簡単な挨拶の後、読経の準備をしていると、迎えてくれたおばあさんが、縁側に脱いだ雪駄を見に行きました。それとなく、チラッと。
なぜ見に行ったか分かりますか?
そう。
もしも雪駄が乱れていたら、帰りにはきやすいよう、揃えるためです。
最近の家屋の縁側は、着物で上がるのには少し高めです。都合、脱いだ雪駄も乱れる確率が高くなります。
もちろん私も僧侶ですから、乱れればなおします。
ま、作法としては、上がる向きに脱いでから、履き物の向きをくるりと回すというのもあるようで、その場合は乱れようもないのですが。
本山では教わらなかったので、それは考えないことにします。
話を戻して。
自分でも直しますけれど、そのことに気を配っていただける、それがうれしいんですよ。出迎えるのはもちろん、帰るときに気持ちよく帰れるようにと気を配っていただいているということです。
いまどき縁側から上がるお客さんも少ないでしょうから、イレギュラーなケースだったはず。にもかかわらず、さりげなくチェックが出来るということは、しっかりと身に付いているという事です。さすがです、と感服しました。
私はまだまだ遠く及びません。見習いたいです。