書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

今年のドラえもんは、父涙目

子どもたちを連れて、ドラえもんの映画を観に行って来ました。半年も前から予告をしていますからね、子どもたちの意識に刻み込まれています。大人も一緒コマーシャルを見ながら、なんだか観にいきたくなってしまいます。ドラえもん世代ですからねぇ。

今年のテーマは家族、だったのかな。家族関係にスポットが当てられていて、だからこそ話のスケールは途中からそれほど広がらないんですが、ドラえもんの世界ならではの親の葛藤などが描かれていて、どうしても涙腺が緩んでしまいます。

子どもよりも、親の方が泣かされる映画でした。

ドラえもんで育った世代が、まだまだ子育て世代に多いことでしょう。今年のテーマソングも、今は毎週の放送でも使われることのない「僕ドラえもん」へのオマージュが含まれていて、子ども世代はもちろん、親世代へもアピールをしている作品になっているという論評がどこかにありましたが、まさにその通り。私の実感としては、思いっきり親の方へ向いていて、子どもたちはそこまでうるうるしないんじゃないかと思うほどでした。

だから、観に行って良かった。泣けちゃったよという話を子どもたちと素直にしました。そこから、父親というのがどういう話に涙を流すのか、なぜ泣けてしまうのか、そんなことに興味を持ってもらえたらと思うんです。子ども同士の世界では、お互いに気を使ったりということもすでにあると思いますが、大人に対しての気遣いは、怒られないようにしようというのが多いでしょうから。大人と自分の距離感を、縮めてもらえたらと思います。

やっぱり映画館で観る映画は、良いですね。邪魔も入らず、ただただ観ていられる。それを多人数で共有できる。素晴らしいです。今回は大人も安い日で助かりましたが、普段から千円程度だと、さらに気楽に観に行けるんですけどねぇ。

弘法様のお祭りが今年も無事に

毎年4月の第一日曜日に修行している弘法様のお祭り。良いお天気でした。毎年満開のタイミングで迎えるミヤマツツジとさくらですが、今年は咲き始めるのが早く、葉桜も混ざり始めていました。それでも、まだまだ綺麗でしたから、良かった。このお祭りのイメージは、やはりお花ですから。

正太寺がお釈迦様の降誕会(誕生日)をお祝いする花御堂を、弘法様に合わせて本堂中央に設置するせいもあります。なんか色々ごっちゃになっているように、お檀家さんは感じているかも。一年で一番参詣者の集まる行事に合わせてお釈迦様のお祝いをしたいものですから、すいませんねぇ。

消防団に加わっていたために、その入団式と日が重なるこのお祭りは、2年続けてお昼に帰ってきてのお勤めでした。昨年は直前の年度末に退団したので久しぶりに一日ずっとお祭りに携われたのですが、今年はもうそれが当たり前のように朝からお寺にいることができていて、自分の感覚もすぐに以前のものに戻ることができて良かった良かったと、ジーンとしました。

朝からドタバタしながら、でも途中でお団子をつまみながら、楽しいんですよ、このお祭りは。お世話にんさんが20名近く。婦人部の役員さんは20人以上の方にお手伝いをいただいて運営しているお祭りです。私一人ではもちろんできません。たくさんの、本当にたくさんの人のお手伝いで運営ができて、そして大勢の参詣を得て成り立っているお祭りです。

もしかしたら私が気づかないところでもっとご厄介をおかけしている方がいるかもしれませんが、今後も賑やかに開催していきたいと思っています。お釈迦様と弘法様、歴史に残る偉大な祖師の御功徳を受けられる日ですからね。皆様、どうぞよろしくお願いします。

明日は弘法様のお祭りですが

今日は娘の通院のために午後から浜松市内へお出かけ。この通院も結構長いなぁ。本人が一番そう感じていると思いますけれど。最近は痛みを伴う治療になっていまして、いつまで続くのとなんども聞かれています。

歯科矯正なんですよ。顎が細いので妻はずっと心配していて、ところが私は全然心配していなかったんですが、あまりにも永久歯が生えてこない時期があったので相談に行ったら、レントゲンを見ながら今の矯正歯科を紹介されて。それからのお付き合いです。

過剰歯を抜いたり、器具で歯の隙間を広げたり。そして今は顎の位置調整中。八重歯がいい位置にすっと入ればそれで終わりになると思いますが、歯並びが気になるようなら次のステップに入っていくんだと思います。歯の矯正で一番イメージが強いのは、この歯並び矯正でしょうね。私も矯正といえばそれだと思っていました。ところが、その前段階でこんなにもたくさんのステップがあるとは。

ただ、成長期が終わってからの矯正だと、それこそ歯を抜いて隙間を作るとかしなくちゃならないそうです。成長に合わせて隙間を作ってきたので、そうした無茶はしなくて済んで、そこは良かったと思っています。お世話になっている矯正歯科は定額制で、どれだけ通院してどれだけ器具を使って壊して直しても、追加費用はありません。ほんとありがたい。歯の隙間を広げる器具は、頻繁に壊していましたからねぇ。

娘の今の心情としては、歯並び矯正はしないんじゃないかなと思います。今まで素直に頑張ってきてくれたので、私も無理強いするつもりもありません。八重歯の位置がちゃんとなれば、歯並び自体は悪くないと思っていますし。私の予想では、長くてもこの一年で終えられるんじゃないかと思っています。今は少し器具が痛いけど、もう少しだけ、頑張ろうね。

顔面蒼白事件発生

自分の覚えの悪さに辟易とする事件が発生しました。先日、宗務所のお手当てを支給したのですが、その際に源泉税の計算を間違えたのです。大幅に少ない金額で納付をしてしまいました。

幸い、納期限は来月10日です。それまでに追加納付をすれば延滞税もかからないはず。すでにGoogle先生に頼み込んで、追加納付の仕方もバッチリです。

職員にもお知らせを済ませて、あとはとにかく納付するだけ。ただ、次に宗務所へ行けるのは来月9日。結構綱渡りだと思いませんか?

体調崩したり、葬儀ができたり。自分でスケジューリングできない用件が発生した時点で、ほぼ確実に延滞税が発生するという状況です。嫌だ嫌だ…

原因は明白で、計算を間違えたというよりも、何もしなかったんです。

宗務所では半年に一度しかお手当てを支給していません。他の宗務所では毎月支給しているようですけれど、我が宗務所の場合は金額が少なすぎるということで…

ですので、給与管理ソフトとかは使わず、エクセルで済ませています。半年間の出勤日数を打てば、課税額がバシッと出るようになっています。その課税額を、源泉徴収票と見比べることで、源泉税が求められます。ここも自動化できるんですが、半年に一度のことなので面倒で放置してあるんです。それがいけなかった。

仕事が立て込んでいて忙しい日だったので、慌ててやったんです。淀みのないスムーズさで職員全員に支給が済んで、やれやれというところだったんですが、源泉税を求める作業をすっかり忘れてしまいました。エクセル表はコピペで使い回していますから、つまり、前回支給時の源泉税額でお手当ての支給、税金の納付をしてしまったというわけで。なんとも情けない原因です。

庶務主事になってもうまる7年が経過したというのに、何をしているんでしょうね…久しぶりにガックシです。

今日はお泊り

今月何回目かのホテル泊まりです。宗務所の用事で遅くなることが分かっていて、明日も当番日で出てこなくてはならないので、いっそ泊まろうと。

お寺にいても、夜の時間帯に仕事ができるのは21時を過ぎてから。それに対して今夜用事が終わってホテルに戻ったのが21時過ぎ。パソコンも持ってきているので、このまま普段通りに仕事が出来てしまいます。ちゃんとした性能のパソコンを買っておいてよかったと思える瞬間です。お寺では外部モニターにつないでデスクトップ機同様の使い方をしていますが、出先でも画面サイズさえ除けば、普段とそう変わらない状態で使うことができます。

そこまでして仕事をしなくてもいいような気もしますが。さすがに会計も出来ないし、書類の下書きとか、ぐらいかな。今月は体調を崩した日が多かったので、こういうチャンスに早寝をしてしっかり休養を取るのも大事かなと思いますし。

明朝はそのまま宗務所に出勤というわけには行かず、車を車屋さんへ置いてこないといけません。ようやく冬タイヤから夏タイヤに交換です。代車で出勤し、帰りにはピックアップしていく予定です。置きにいく分、早めにホテルを出なくてはならないので、ちょっと残念。ギリギリの時間までホテル滞在を楽しみたかったんですが。

ベッドでゴロゴロするだけですけどね。

11年前と比べる

宗務所に勤め始めたのが11年と半年ぐらい前になります。一期4年の任期ですので本来ならそこで交代になっていたはずなのですが、様々なご縁で今もまだ職員として関わることが出来ています。そんな11年前の仕事の仕方と現在とでは、だいぶ変化した部分が出ました。

一番大きく変わったのが、連絡手段。当時は、職員全員が携帯電話を持っている、という前提だけがありました。何かあったら電話連絡。基本ですね。ただ、それ以外の連絡手段が無かったのです。さすがに電報という時代では無いですし。それでもタイムラグが大きすぎる。たいていの人はメールは使っている、という時代ですから、私もそうなるように望んだものです。

4年間のうちのかなり早い時期に、携帯電話のメールで連絡は取れるようになりました。所長さんにメールを出す機会は終ぞ無かったですが、主事と書記は、メールでやりとりがそこそこあったように思います。この辺は得手不得手、向き不向きがありますので、会社とは違って強制されるような間柄でも無く、やんわりと、ただ、そういう私が望んでいる方向へは進んでいました。

次の4年間は、自分が庶務主事になったのを良いことに、やや強引に自分の望む方向へと移していきます。全員がスマホを使うようにしました。個人でスマホを持っていない職員には、宗務所で契約したものを貸与です。それも個人負担5千円も取って。それでも宗務所負担分が結構ありましたから、当時は高かったですねえ。

そのスマホを使って、最終的にはFacebookメッセンジャーを主な連絡手段として利用するようになりました。これは今でも続いています。なんだかんだ、必要十分な機能で便利なんですよ。もって便利なサービスがようやく日本語インターフェースを備えてくれたことで、ようやく対抗馬として検討できるようになりましたが、残り任期を考えると今から移行というのはデメリットしかありません。次の主事さんに情報はお伝えして、判断をお任せしようと思っています。

今の任期では、書類の電子化の仕上げの部分を行ってきました。郵便にしろ手渡しにしろ、書記さんの受付を通った書類はすべてScansnapで読み取られ、Evernoteに保存されています(個人情報を含む書類は別の扱い)。一日の受付書類のリストはFacebookメッセンジャーで回覧され、その書類はEvernoteで見ることが出来ます。このおかげで、特に私は宗務所へ出勤しなくても必要な書類はすぐに見ることが出来るようになりました。また、FAXもEvernoteに自動で回付されます。これも便利。FAX待ちが楽になりました。お寺界隈は、ようやくFAXが活用され始めたところなんです。

これぐらい出来上がると、自分がその場にいなくても、代わりに仕事をしてもらうのが頼みやすくなります。みんなそれなりに事態を把握していますから、今日行けないからお願い、というだけで済むんです。今日も実際に、月曜に依頼してあったリサイクルコンテナや機密文書を入れる段ボールの代引き受け取りなどを、出勤している職員にスッとお願いできました。話が早いんです。

代引きなんて、そうした情報が無ければ怪しくて受け取れませんからね。電話をして1から説明しなくても理解してもらえる。これだけでも大助かりです。また、Facebookメッセンジャーのグループ投稿でそうしたやりとりをしていると、今は所長さんも当たり前にスマホを使っていますから、そうしたことも把握してくれています。トップが全部を知っている必要は無いと考えますが、なかなか出勤する時間のとれない忙しい所長さんにも、こうした形で情報が届いているというのは良いことだと思います。必要なときにはリアクションしていただけますし。縦社会のお寺の世界では、所長さんが理解を示してくれているだけでもありがたいことなんですけどね。

そんなわけで、電話をかけたり長々説明をしなくとも、手元のスマホから短いお願いのメッセージを打つだけですべてを了解してもらえたことを受けて、こんなにも長々と日記を書いてみました。うれしかったんです。

得度式の打ち合わせ

先輩の息子さんが、得度をすることになりました。得度式とはお坊さんになるための儀式であって、つまりお坊さんになる、ということです。まだ11歳。お寺生まれの子弟にとっては、今は通過儀礼のようなものになっていますが、昔はこの得度を受けることがまず大変なことでした。実際に出家することになるのですから、家族ともいままでのように会うことも出来無くなります。

現在は、修行に行ってようやくそうした環境に置かれることになりますので、ずいぶん楽になったと表現されても、うまく否定は出来ません。ただ、ワンクッション入れずにいきなり世俗との断絶になりますので、精神的に不安定になってしまうリスクは高くなっていると思います。実際必ずといっていいほど逃亡者が出るわけですし…

ただ、得度式の重要性というのは変わっていません。得度式が終わると、曹洞宗に対して得度をしましたよという届けをします。禅師さんがすべては点検できませんので、書類申請になりますが、住民票の添付も必要ですし、儀式中の写真も必要です。この写真にうつっている内容も大切で、曹洞宗の決まりに反していれば、却下となってしまいます。その場合にどうするかというと、得度式をやり直すことになるんです。それぐらい、重要な儀式なんです。

よいご縁で、お釈迦様の誕生日である4月の8日に、得度式が行われます。ちょうど日曜日なのです。息子さん、小学生ですからね。私もお手伝いを頼まれましたので、その日までの間に、準備をしなくてはなりません。必要な物品などは、師匠となる先輩が全部済ませてくれますが、儀式の進行は一人では出来ません。今回は先輩以外に3人体制でバックアップです。

私は司会。先日参考資料として、先輩が実際に使った原稿をいただいてます。それを自分流にところどころ書き換えて、読む練習まではしてあります。それを今日、みんなで集まって、実際の儀式の進行を確認しながら、私もそれに併せて司会の練習をしました。

当日はお檀家さんも大勢お見えになる予定です。司会の役割は、儀式で今何をしているかを伝えること。少し長い儀式になりますので、何も分からずにその場にいるのは大変なのです。苦痛かもしれません。でも、内容が分かるだけで、興味を持ってみてもらえるようになる可能性を秘めていますから、司会の責任というのは結構重いのです。プレッシャー。

司会慣れした先輩に、今日の私の話し方を聞いて、聞きやすくて良いぞと褒めてもらえました。ありがとうございます。褒められて伸びるタイプです。叱られると反逆しかねません。

細かな点まで確認が出来ましたので、当日はかなり安心して司会を務めることが出来そうです。よし。いいぞ。

得度を受ける息子さんも、何度か練習をしてあったようで、キビキビと動いていました。見ていてうれしくなりました。良いですね、こういう光景は。