書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

檀信徒研修会2日目

今回は一泊二日なので、今日が最終日。準備に時間がかかっている分、終わるのが早すぎるような気がして勿体無い気分もします。

道元禅師得度の地へ行くのが今回のメインだったのですが、直前に台風が襲来したこと、昨晩も大雨だったことが重なって、ただでさえアップダウンが厳しい道中が、さらに足元が葉っぱやら枝やらで大変なことになっており、残念ながら中止となりました。

その光景は私が見たものではなく、朝7時に先発隊が掃除に出発し、そこで出会った光景です。中止は現地に到着してすぐ決定されました。私は研修会本部に唯一残った主事となりまして、所長にその旨を報告。ついでに、所長・副所長、写真担当の書記さん、そして宗務所護持会長さんには得度の地にて拝登諷経をお勤めお願いします、と。

私は伝えるだけです。はい。

そんなわけで、延暦寺参拝の時間を増やして、ゆっくりとお参りすることができました。

実は、台風以降、延暦寺では停電と断水に見舞われていました。33年に一度のご開帳である釈迦堂では、普段はライトアップされている仏像たちも今日はろうそくの明かりのみ。案内の和尚さんも、今日のような機会はまたとないと前のめりで解説してくださっていました。たくましいです。

そして、解説にあった言葉通り、ろうそくの灯りしかない薄暗い中で対面した仏像群は、そりゃあもう威厳がありました。正太寺の位牌堂に導入したルミナスのLEDキャンドルで同じ雰囲気が出せるかどうか、試して見たくて仕方ありませんが、ご開帳期間とはいえ、流石に持ち込むわけにはいきませんからねぇ。

お昼少し前に比叡山を後にして、昼食後、信長の館で少し遊んで帰路につきました。帰りのバスの中では、我が3号車は、人権主事さんが自費で買い込んで来た100均アイテムを景品にビンゴ大会が開かれました。盛り上がりますねぇこれは。勉強になります。でも自費なんですよ。宗務所に請求してくれないんですよ。ただ、そうした心意気があるからこそ、盛り上がるわけです。是非はともかくとして、勉強になります。

道中、お一人けが人が出てしまいました。サービスエリアで転倒されての事です。幸い大ごとにはなりませんでしたが、しかし出血も多かったため、また旅行保険の適用もできるため、明日病院へ行ってもらうようにお願いをしました。添乗員さんには今後の手続きをお願いして、今日のところはやれることは全部です。

平日開催のお寺が募集して実施する研修会ですから、平均年齢はどうしても高くなります。怪我の機会も多くなります。以前は救急箱をバスに積み込んでいましたが、最近では大怪我になれば病院にへ行くしかないという判断のもと、積まなくなっていました。しかし、今回の一件で、応急処置としての備えはやはり必要だなと感じます。今日はたまたま看護師さんが乗り合わせており、常時携行されている大きな絆創膏のおかげで助かりました。救急箱とまではいかずとも、そうした備えをしておこうと思います。宗務所で同意が得られなければ、個人として携行すればよい話。型にはまって難しく考える必要もありません。

そんなわけで、怪我をされた方の具合は心配なものの、それを除けばみなさん楽しんで研修をしていただけた二日間となりました。課題もありますが、今後も引き続き開催し、参加者の研鑽はもとより、菩提寺の和尚さんとの関係性のさらなる向上に一役買っていけたらと思います。

檀信徒地方研修会1日目

今日から一泊二日の檀信徒研修会です。今年は檀信徒、僧侶、宗務所職員合わせて103名で出発です。

バス3台が各地を回りながら参加者を集め、一路京都を目指します。最初の目的地は泉涌寺。京都の古刹らしく、文化財が豊富です。そして、お釈迦様の歯が納められているお寺でもあります。通常は辰年の決まった期間しか一般公開されない舎利殿に上がらせていただきました。しかも、一般公開の際には歯は別の場所へ移すようなのですが、今回は中に納められたままです。その代わりに、有名な鳴竜は体験できませんでした。お釈迦様のお休みを邪魔しちゃいけないということでした。そりゃそうですね。

次の目的地は、鈴虫寺として有名な華厳寺。鈴虫が一年中鳴いていることでも有名ですが、法話も有名だとのこと。楽しみにしておりました。

前評判通り、法話は大変面白い。大変面白いのですが、残念なことに宣伝も多いんですよ。1時間ぐらいの法話の間に、20分くらいは宣伝に費やしていたんじゃないでしょうか。お札を頒布してるんです。わざわざ願った人のところまで歩いてきてくれるというわらじを履いたお地蔵さんがいらっしゃるのですが、そのお札なんです。

曹洞宗と同じ禅宗である臨済宗のお寺なのに、現世利益のことばかりおっしゃるので、その点だけは興ざめでした。宣伝の部分も面白くお話ししてくださるんですけれどもね。

そこを除けば、良いお話ばかりなんです。なかなか伝えるのが難しい部分を、分かりやすくお話ししてくださっていて、参考になりました。それだけにもったいないなぁと感じてしまうんですけれど。台風の直後だというのにお庭が大変きれいになっていて、きっとお金もかかるんだろうなと想像は付きます。京都のお寺も、生き残るのに必死なのでしょうか。

その後はお宿へまっすぐに。今日はこの2ヶ寺と移動でおしまい。明日は目的地である比叡山延暦寺、その中にある道元禅師得度の地へ向かいます。お泊まりは滋賀県へ移りまして、おごと温泉はびわこ緑水亭。なんと全室露天風呂付きのお宿です。手入れもそこそこされているようで、なかなか良いお宿です。宴会は、添乗員さんがびびるほどに盛り上がりました。お檀家さん方、元気いっぱいでした。

宗務所日記 20171023

明日から一泊二日で檀信徒研修会。京都へ出かけます。今日はその準備もあるということで、勇んで出勤してきました。

結局は教化主事さんが忙しくて到着が遅れ、15時ごろからの準備となり、その大半も書記さんと梅花主事さんが済ませてくださいました。ありがとうございます。私は確信的に手を引いてました。はい。

退勤時間が迫るとやることが増えることはよくあることで、今日もそんな状態だったんです。何で午前中に思いつかないのかというようなことも、退勤時間間際にやってました。結局定時では上がれず、30分ほど延長でしたけれど。書記さんたちはさらにまだ作業が残っていたのですけれど、置いて帰りました…

来週の火曜日には東海管区の護持会集会があります。教区の護持会長をつとめるみなさんが集まり、講演を聞いたりという時間を過ごします。その後、多くの宗務所では護持会長たちとの懇親の場を持つのですが、第四宗務所も同様でして、今回会場となり豊川閣妙厳寺さま(豊川稲荷の名で有名です)を出た後に、西浦温泉へ移動して、懇親会を開き、一泊してから帰ってきます。

二週続けて一泊二日という塩梅なのです。そちらの準備も同時進行で進めていまして、これが結構あたふたしました。今月開催の事業はほぼ全て赤字ペースですし、どうしましょうねぇ。営利企業ではなく、事業をこなすために存在している団体ですので、赤字になることは実はあまり問題ではありません。必要なのであれば、管内総意のもと、各寺院から集めるお金(宗務所費)を増やせばいいんです。必要なのであれば、ね。

必要か必要でないかは、主観が色濃く出る問題です。管内総意なんて、無理ですよ。というわけで、赤字になると繰越金を減らすことになり、いずれ繰越金が枯渇すれば、毎年の収入の範囲内で、宗務庁から要請されている事業をこなすことになります。そこまで宗務所が追い詰められ、事業が実施できないことが大問題だとなれば、その時にようやく宗務所費を上げることが承認されることでしょう。今期の宗務所のうちは、枯渇するところまではいかないと思います。予想よりも枯渇へ向かうペースを落とすこともできていました。

が、今月の各種事業の赤字(というよりも予算オーバー)は、結構な痛手です。本当、どうしましょうかねぇ。最近頭痛の頻度が増えているのは、こんなことも原因になっているのかなぁ。

なかなか雨が降らない台風

名古屋市あたりから西側では激しく雨が降り続いた一日でした。直撃の可能性が100%と表現しても言い過ぎではないほどに予報円のど真ん中にある静岡県ですが、アメダスレーダーを見る限り、あまり雨が降っていません。

法事の邪魔はしてくれました。納骨を予定していたのですが、断念。通常のお墓参りであれば何とかなったかもしれませんが、納骨するには雨が強すぎました。近々改めて、ご家族だけになってしまいますけれど、納骨を行うことに。

午後になると雨が小康状態に。時折強く降るのですが、台風が迫っているとは思えないような空模様です。明るくなることもありました。消防団は迷うんじゃないかな、これは。団員に負担を強いてまで土嚢を積むほど、強い台風が来るんだろうかって。

分団長が号令を下せば団員は動いてくれます。でもそれは、分団長が常に団員を思いやっているからこそであって。こういう時だって、本当なら土嚢積みなんてさせたくないわけです。

胃が痛くなってもおかしくない状況です。頑張れ分団長。

正太寺は早々とシャッターや雨戸を閉め、風に飛ばされそうなものも片付けて、臨戦態勢。いつも何かしら片付け忘れるのですが、今回はなんども確認しました。きっと大丈夫。夜22時を過ぎる頃には、だいぶ雨も強くなってきました。さあ、さっさと通過してしまってくれよ。子どもたちは明日は学校に行く気満々でいます。無事に登校できますように。

台風が近づいてきた

かなり大きな台風が近づいてきています。しかも静岡県直撃コース。ただ、超大型と表現される場合であっても、風雨の強さを表しているわけではなくて、影響の範囲を表しているんだそうです。とはいっても、中心気圧はかなり低いので、このままの強さで直撃するとなると、色々と心配になります。

そんな台風の影響もあってか、今日も雨。法事もありました。雨の中ではありましたが、なんとかお墓参りも出来て、まあよかったのではないでしょうか。

消防団は土嚢を積むことを決意したようです。現分団長に確認したら、どうも土嚢を積む場所の引き継ぎが不十分だったようなので、代々受け継がれてきた土嚢積みベストポジジョンを、Googleマップスクリーンショットに手書きで書き込む方法で伝達しました。

全てiPhone上で済んでしまいました。便利。

私も一度しかやってないんですよね。私の前の分団長さんは何度か機会があったようですが、私の時は運が良かったです。団員にかなりの労力を提供してもらわなくてはなりませんから、回数は少ない方がいいです。でも、これもまた経験を継承していかなくてはなりませんから、たまには行った方がいいわけで。訓練もありますけれど、団員が参加できるこの手の訓練は数年に一度しか順番が回ってきません。台風の方が遥かに頻度が高いですね。

土嚢を積んで、それが不要であったならば、それが一番いいことです。今回も、無事に通り過ぎ去ってくれますように。

正太寺は雨漏りも塞ぎましたし、板を釘で打ち付けてしのいでいた場所も何年か前にシャッターに変わりました。台風対策はちょっと近代化したんですよ。板を倉庫から運ぶのに、強風で吹き飛ばされそうになったのは、今となっては懐かしい思い出です。

日本全体で見ると、台風が来ると必ず命を落とす方が出てしまいます。用心に用心を重ねていただき、みなさん無事で過ごせますように…

宗務所日記 20171020

檀信徒大会の請求書がだいぶ出揃いました。途中、予算通りの収支ぴったりとなる見込みもあったのですが、結局は日が近づくにつれて当初の想定になかった支出が重なったため、赤字となりそうです。それでも、思い描いていた赤字額よりは小さくなりそうですよ。繰越金から繰り入れる額が少し増えますが、これはもう、仕方のない費用です。

今日は久しぶりに晴れ間も見えました。娘のいる東京も、早い段階で雨が止んだようで、今日は傘なしで行動ができているようです。よかった。実は下の二人も今日は遠足なのですが、意外にも雨に降られなかったようです。

赤字は確定してしまったけれど、良いこともあったということで、私の中ではバランスが取れました。

夜、娘の帰宅を出迎えて、20分ほどで私は会合へ。お経に出るよりは諸々楽ですが、会合もふた晩続くと疲れが溜まります。20代の頃はなんともなかったのに、やはり体は衰えているんですね…

週末は両日とも法事が入っています。全力で取り組めるように、休息をしっかり摂るように心がけましょう。と言いつつ、最近の睡眠時間は5時間確保もままならないのですが。

寂しさを感じる間も無く用事をこなす

娘が修学旅行へ旅立ちました。目的地は東京。60年ぶりの寒さと言われている東京に、わざわざ出かけて行きました。ずっと楽しみにしていたのですから、寒かろうが雨だろうが、関係ないですね。行けることが楽しいんですから。帰ってきてから風邪を発症するぐらいならいいですけれど、現地で体調を崩さず、元気に楽しんできて欲しいと願っています。

午前中はAOKIの売り出しで靴下を買いながら粗品をゲット。その足でケーズデンキに寄ってオーディオケーブルを購入。寺務所へ構築したPC環境で、未だ音が出せない状態でした。音楽を聴くわけでもないのですが、警告音すら聞こえないのはなかなか不便なのです。これでとりあえず必要物品は整ったので、配線をするだけに。

午後からはここしばらく懸案だったFAX問題。広告FAXばかり届くので、紙に印刷せずに、メールでお届け方式に切り替えようとしているのです。

FAX番号を変更すれば、簡単に実現できます。インターネットFAXと言われるサービスがいくつも存在していますから、好みのものを選ぶだけ。月額料金もかかりますが、ひかり電話に番号をプラスしている現状、それを解約すれば追加の負担額はさほどではありません。利便性の方が大きい。

ただ、番号が変わるというのはかなり面倒です。関係各所へ連絡をするだけでも大仕事。そんなわけで、ここしばらくは起動しっぱなしになっているサーバーにPC-FAXのソフトを入れて、エプソン複合機が受信したFAXをPCで受信し、PDFに変換されて保存されたのを検知したらメールで送信、という方法を取っていました。ただ、これだとサーバーが不調になった際に途端にFAXが受け取れなくなりますし、たまにしかFAXが届かないので、不調に気付けるかどうかも怪しいので、二、三日に一度、サーバーにアクセスして点検をする必要がありました。

私宛のFAXはほとんど来ないのですが、師匠宛のものは月に数枚届きますし、それを確認した上で返事をするというケースがほとんどなので、届かないとなると先方に迷惑もかけてしまいます。結構重要。

そこで先日、aFAXという製品を購入しました。これは、FAXを受信してメールで送信するだけの小さな機械です。電話のモジュラーケーブルを二股分岐させて、aFAXとFAX機に繋げれば、受信はaFAX、送信はFAX機という具合に使い分けができます。配線もとても簡単。

でも、先週末、お祭りとPTA絡みで忙しい最中に配線をしたら、どうもうまく動いていない様子。うまく動くように色々試行錯誤していたら、今日という日が暮れてしまいました。つまり、まだうまく動いていません。

夜は市の呼びかけで開催される教育施設地域拠点構想意見交換会へ顔を出してきました。近隣の2つの小学校と1つの中学校をくっつけるといいのにと入出の人間は大抵考えていたのですが、どうやら昨年度すでに基本方針として示されていたようで、建物の更新時期に合わせて今後検討を加えていくことになっていたようです。

そこへさらに手を加えて、地域の拠点としても使えるように整備していこうという構想についての意見交換会でした。もっとも、小中学校をくっつけるということ自体も、まだまだ見直しの必要なことという大前提の上で市側も提案をしてきているのですが、知波田の皆さんは小学校がなくなることに対して抵抗感が強いようでした。入出は全然感じていない雰囲気なんですけどね。

どちらが良いのか、結局はやってみないことには分かりません。根底にあるのはそれぞれの学校が極端な小規模校であるということなのですが、合併して一校にしたとしても、まだまだ小規模校なのです、これが。困ったことに。

どうなんですかねぇ。それぞれ成功例失敗例、色々あると思います。行政はかなり調査して取り組んでくれているようで、資料にもそれが現れているんですけれど、それだけで地元が納得するかというと、難しいでしょうね。100%の予測なんて、不可能なんですから。

質疑応答の際に隣寺の和尚がこども園の職員として発言していましたが、子どもたちの将来を第一に考えて、より良い方法を行政も地元も考えていきましょうという提案(かなり意訳)に、大賛成です。議論が白熱すると一番大事な視点を忘れてしまいがちです。実際に形になり始めるのは、建物の更新時期となる10年後が目安です。長いような短いような、10年後。子どもたちが目を輝かせて勉学に励める環境を、大人の責任として作り上げていきたいものです。