書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

物事を複数の視点で捉える

物事を複数の視点で捉える 兄と弟がケンカしました。兄の言い分、弟の言い分、当然あります。親の立場だったらどうします?

双方の言い分を聞いて、それでも恐らく白黒付くようなことはないでしょうから両方叱って、となるのが一般的でしょうか。

でもこの、双方の言い分を聞くというのはとても大切なことです。真実を見極めるためには省くことの出来ない大事なことです。

世の中のあらゆることにおいて、白黒付けられることなんて滅多にありません。たいていの場合は兄弟げんかのように、ある部分では兄がより正しく、またある部分では弟がより正しいというようになるはずです。

そんな中で何かしらの判断をしなくてはならないのですから、情報は少ないよりは多い方が良いに決まっています。役に立たない情報に埋もれない工夫は必要ですが。

物事を考えるときに、なるべく多くの視点を持つことは、仏教に於いても基本的な考え方です。やって当たり前。

インターネットでもテレビなどのマスメディアでも、極端な意見が目立ちます。健康関連の情報に関しては、ヒステリックに思えるような内容も見かけます。

あってる、あっていないは、判断の難しいところ。兄弟げんかと一緒で、ある部分ではこちらが正しく、ある部分ではあちらが正しい。それならまだ分かりやすいですが、この点に関してはどちらも間違っている、という可能性だって念頭に置かなくてはね。

対立軸が出来やすい議論は要注意。どちらの意見も別の視点から点検してみるべきです。放射線、安保、食品添加物

性善説に立って考えたあと、性悪説の立場で考えるというのも効果的かもしれません。私はついつい性善説で考えを走らせてしまいますけど、これは僧侶の性かもしれません。

そんなわけで、危ないとか、凄く良いとかいう話があったら、せめて真逆の話がありはしないかと調べて、その上で判断しましょうというお話でした。こういう作業は楽しいですよ。