書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

お葬式を綱渡り

お檀家さんでお葬式がありました。11時から。
同じ日のお役僧の依頼がありました。12時から。


11時から葬儀ですから、一度は断ったのですが、お役僧さんが足りないようで、遅れても良いから来て欲しいと頼まれました。そこまで言っていただいて受けないわけにはいきません。


ただ、葬儀に遅刻していくというのは、避けたいものです。僧侶が遅刻するなんて恥ずかしいじゃないですか。誰が遅刻したか一目で分かりますし、揃わなければ式は始まりませんから後の日程にも影響が出ます。


正太寺の葬儀はだいたい45分ほどかかります。不思議とだいたいこれぐらいの時間で終わるのですよ。もっとも、これよりも遅くなると出棺の時間に影響が出て、それがまた火葬場でのやりくりにも影響を及ぼしますから、あまり遅らせることは出来ません。
とにかく45分。


ということは、閉式後すぐに移動するとしても、移動時間は15分しかありません。車で10分はかかろうかという場所です。
実際には閉式後、お袈裟を外す時間がありますし、到着後にお袈裟をつけて準備をする時間も必要です。閉式後に喪主さんの挨拶もありますから、それが済まないうちに場を離れるわけにもいきません。


そう考えると、間に合わせるのはかなり厳しい状況です。
12時からの会場で、遅れる理由をアナウンスしてもらうというのもなんですし、そうなると、単純に遅刻しました扱いになってしまうのかなぁ・・・
他のお役僧さん方はもちろん承知でいるでしょうから、怒られることはないはずですけども。


そんなことを考えて昨日からソワソワとしていました。
そして実際に綱渡りをしてみると・・・


5分前に次の会場に到着出来ました。車での移動時間が、信号がうまいことタイミング良かったので、想像よりも短く済んだためです。駐車場についてほっとしました。
残念なのは、お檀家さんの葬儀の場を早々に後にしなくてはならなかったこと。よくお話もさせていただいた方が亡くなられての葬儀でしたから、心情的にもなるべくその場に留まっていたかったのですが。通常ならば火葬場までお付き合いさせていただくのですが、それも出来ず(住職に行っていただきました)。


もらい泣きせずに済んだと考えれば、心への負担を少し減らせたかなとも思いますけれど。でもやっぱり、うーん。一会葬者でありたかった心持ちです。
これからもこういうことが、何度となくあるんだろうなぁ。