書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

紙の書類が旅立っていった

法人税の申告を終えました。一昨夜遅くから取り掛かり、昨日1日かけて電子申告までを済ませました。そして今日、紙で送らざるを得ない書類を投函して、一連のタスク完了です。

宗教法人による収益事業についての申告は、そんなに難しくありません。慣れれば。正太寺の場合は金額も些少のため、なおのこと。一番高額になるのが、湖西市の均等割。5万円は痛い・・・

でもしょうがないです。収益事業をやってるんですから。均等割を除くと法人市民税は700円しかないといえども。こんなに収入の少ない収益事業、どうしたらいいんだ・・・

さて。宗教法人本体の布施収入や境内地・墓地、それに宗教施設に分類される建物に対する非課税制度のおかげで、普通に宗教法人を運営している分には、税務署へ申告することがありません。八千万円を超える収入があると貸借対照表損益計算書などを所轄庁へ提出する義務がありますが、実はこれ、本来は全宗教法人に義務付けられるはずのものなのです。小規模な宗教法人では対応が難しいだろうから、という理由による経過措置によって今は免除されているだけであって、この経過措置も、いつ廃止されるやら。

法人税の申告と違い、真っ当な会計ソフトを使えば自然と出来上がる書類ですから、今の時代であれば難しい話ではないのですけれど。お寺の住職になる予定のあるお若い僧侶の皆さんは、今のうちにちゃんと勉強しておくことをお勧めします。この経過措置、すでに結構長く続いています。準備できていませんでした、では済まされませんよ。

所轄庁というのは税務署のことではなく、普通の宗教法人なら都道府県にある宗教法人を管轄する部署のことを言います。静岡県であれば県庁にある静岡県経営管理部総務局法務文書課法人班。ここに提出した書類、税務署と共有してくれてるのかなぁ。

個人的には、どこの宗教法人も毎年税務署に、税務申告がある無しに関わらず、収支計算書なり何なりを提出した方がいいと思うんですよね。宗教法人にも税務調査というのはあるのですが、収支計算書を見るだけでも察しがつくんじゃないかと思います。むしろ、提出がないのに、税務調査をするかどうかをどう判断しているのかという・・・

源泉税にかかる申告は出てますから、それらからの推測なんでしょうけれど。

もっとも、私は毎年申告しているゆえにそう思うのでしょう。他のお寺さんのように法人税とは無縁でいたならば、仕事を増やさないでくれと思うのかもしれません。

そうそう。お寺の収入についてよく言われるのは、お布施は現金だから、入金額をちょろまかしてもわからないでしょ、という意見。税務署はそんなことで誤魔化されませんで、お施主さんに聞き取りします。本当に細かなところまで見ますから、ごまかしなんて効きません。税務調査員を誤魔化せたとしたら、よほど悪質な手段をとっているということですよ。私にはその手段は思いつきませんし、どんな手段もそのうちには見破られると思います。

でも、お布施もキャッシュレスになれば、それこそ誤魔化し用がないので税務調査員も楽ができるだろうなぁとは思います。お寺としても月末締めの際に残高が合わなくて何度も何度も見直すということがなくなります。個人的にはキャッシュレス大歓迎。少なく見積もっても、毎月1時間や2時間は経理業務の時間を削れます。

今時の会計ソフトは、銀行やクレジットカードの入出金はオンラインで取得してくれますから、取引先や科目を入れてあげるだけで仕訳ができちゃんうんです。毎月繰り返すようなものであれば推測してくれちゃいます。現金の入出金だけがとても面倒なのですよ。

ただ、お寺の側からお布施をキャッシュレスでというにはまだまだ時期尚早。お施主さんの感情が追いつかないでしょう。あるとすれば、税務当局から極力キャッシュレスにするようにと勧奨が出たりしたら、それをうまく宣伝して・・・という具合でしょうか。

クレジットカードの手数料は重荷ですけれどもね。振込かなぁ。今ならスマホでどこにいてもできちゃいますしね。味気ないですけど。

真面目な話、お布施がキャッシュレス化されることって、あるんでしょうかね。お寺としては完全に受け身にならざるを得ませんが、お寺に行けないから、という理由でお布施を送金してくれて、ご供養をするということがたまにあるぐらい。葬儀のお布施をカードで納めたい、というケースは今のところ皆無です。

どうなんでしょうか。経理業務的には助かりますが、最優先はお施主さんの気持ちです。お布施をした、という実感が得られなければ、せっかくのお布施も意味が薄くなってしまいますからね。

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