書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

夜風を受けながら

野暮用で、日が落ちてから車で外出しました。エアコン大好きですが、今夜は窓を開けて夜風を浴びながら。

とても気持ちがいい。昔は真夏でも、夜の風はこれぐらい気持ちよかったはずなんだよなぁ。今の真夏は、夜でも空気が暖かいですから、異常ですよね。

気持ちよく風を浴びていると、ふと、20年も昔のことが蘇ってきました。あれは8月のお盆にお経を回り始めたぐらいのタイミング。ひどい頭痛の日々が続いていました。偏頭痛ではないっぽいのですが、分かりやすく例えると偏頭痛です。初めて痛みを感じたのは大学3年生の時。ワンルームの部屋でアルバイトへ出かける前の時間にゴロゴロしながら漫画を読んでいたら、目が重たくなって、頭痛が始まりました。

ガンガンでもなく、ズキンズキンでもなく、瞼の上の辺りに重みを感じるような、そんな頭痛でした。頭痛だけど、痛みとはちょっと違うんですよね。

大学を卒業して(卒業式前なので正確には卒業してない)直ちにご本山へ上がり、修行の日々が始まりました。あの日々は、頭痛とは無縁でした。それよりも、頭がスースーするせいで風邪をひき、それが原因でひどい目に遭いました。熱は何度も出しました。本山内で弁論大会が開かれた際、修行一年目は全員が出場するのですが、その時も当日に高熱を出し、熱が下がり切らないまま弁論に臨んだのは懐かしい思い出。この事実を知る人間は当時の直歳寮員だけなので、直歳老師を含めても4名だけですね。老師には伝わっていたのかなぁ。

正太寺に戻ってからも、頭痛との戦いは続きます。近隣のお寺でお葬式があると、お役僧(地域によっては用僧とも呼ぶ)として葬儀に加わるのですが、終わってから必ず頭痛に苦しみました。こちらでは葬儀というと午前中が多いのですが、午後から夕方ぐらいまでは頭痛のために何もできないぐらいに酷かったのです。この頃には、痛みがはっきりとしていました。瞼も重くて、目を開けていると頭痛が余計にひどく感じられて、起きていられないほどでした。

そんな具合に頭痛との付き合いは長かったのですが、あのお盆の日ほど、毎日のように頭痛が続くことは経験がありませんでした。寝れば大抵治ったのです。それが、何度朝を迎えても治らない。内心穏やかではいられませんでした。

それでもお盆なのでお経に回っていたのですが、あるとき日程を終えて帰ってくると、手足が痺れ出したのです。これはおかしいとお医者さんにかかったわけですが、原因は不明。

頭痛が良くなるかも、と、ショック療法みたいなもので、暑い中でも扇風機もつけずにお経を読む試みをした日でしたので、今ならば熱中症の診断が下ったのかもしれません。今思えば頭がおかしい試みでした。でもそれをしても平気なぐらい、暑さには耐性があったのです。

それが、その日以来、真夏の日中には屋外で活動ができないほどに暑さに弱くなってしまいました。平常時に120を数える脈拍。変だな、と思うと血圧の上も下も30ほど下がっている現象。そして頻度を増した頭痛。

自分の体に怒っていることが自分でも理解できない日々でした。ボランティアで知的障害を持つ子たちと夏の野外活動を毎年のようにしていたのですが、それへの参加の可否すら、自分では判断できず、ボランティア仲間の客観的判断に頼るほどでした。

今までずっと、あの日を境に自分の全てが変わってしまったと考えていたのですが、それが、今夜の夜風を浴びて、ふとした疑問が湧いたのです。

あの夏の暑さは、普通だったのか?今は毎年のように酷暑と言われるが、あの年の前年までは、そこまで酷かったか?

そもそも暑さへの配慮を今のように考えるほどには暑くなかったはずです。野外活動の実行委員会に中心近くで参加していましたが、8月の炎天下にウォークラリーをすることに、そこまで深刻な不安は感じていなかったはず。

あの日を境に変わったのは、もしかして、自分だけではなくて、気候も変わったんじゃなかろうか。そんな疑問が湧いたのです。

ちょっと大袈裟ですが、考えを進めていくと、何か見落としがあるような気がして仕方がありません。

真夏の屋内でお経を読んでいて、扇風機がなくても、そよ風を全身の汗で捉えて涼しさに変換していたんですよ。そんな無理やりな暑さへの対処をしていた人間が、こんなにも暑さに弱くなってしまうなんて。体の中以外にも原因を求めてしまうのも自分のことながら理解できてしまいます。

本当に、あの年、あの日、何があったのでしょうね。UFOでも来た?そういえば、正太寺から見える弁天島か舞坂上空あたりで、飛行機でもヘリコプターでもない複数の光の移動を目撃したのも、あの頃だったなぁ・・・

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