書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

大晦日には年越しのお経を読みます

夜になったら年越しのお経を読むんです。平たく言えば、これから迎える新しい年に、お寺も檀家さんも元気に修行に取り組めますように、というお願いをこめたお勤めをします。

それをもって、正太寺の年末は終了。しばしの静寂を経て、新しい年を迎えることとなります。

さっき勤めてきたからもう年末は終わりました。日記を書き終えたらお年玉の準備をして、さっさと寝るのです。明日は少しだけ早起き。

6時には檀家さんをお迎えして、朝のお勤め。その後、諸堂諷経。これは正太寺の各所におまつりされている仏様のところや墓地へ出向いて年始のご供養をします。

そして家族みんなで梅湯を飲みます。湯呑みに入れた砂糖を熱いお湯で溶き、そこに梅干しの種をとったものを添えて用意し、新年の挨拶を述べた後にいただきます。

正太寺では少し手抜きをして、湯呑みの中に梅干しを入れてしまいます。お手軽ですよ。お試しあれ。

甘いものというのは、お寺においてもそうですし、昔もとても貴重なものだったのでしょう。今のように甘いお菓子が簡単に手に入るようになったのはごく最近のこと。ですから、正月早々、最高の贅沢をしているとも言えます。それぐらい特別な瞬間だということですね。

考えようによっては、この一杯の甘い飲み物で、今年も一年、修行にガンガン励め、と言われているようなものでもありますから。飴は与えた。あとは鞭だけだ、みたいな。

そして割と急いでお雑煮を食べて、9時からは門前をお貸しして自治会によっておまつりされている弁天様で年始のご祈祷です。もともと村の庄屋様がおまつりしたのが始まりと言われている弁天様。入出村の漁師を見守る大切な神様です。巡り巡って今は正太寺の門前においでになっていて、そんなご縁で正太寺の住職がご祈祷をお勤めすることになっています。

不漁続きの浜名湖での漁が、今年こそは先の見通しが明るくなるように私も願っています。弁天様も同じ気持ちだと思います。物語の世界のように不思議な力を発揮してくれはしませんが、きっと、浜名湖を大切にする皆さんの支えになってくださることでしょう。

これでようやく元日の予定は終了となります。お墓参りへ行ったり、兄弟が年始の挨拶に来たり、ガヤガヤしているうちに一日が暮れて行き、次の二日がやってくるのです。

全然年越し感がないわけですが、それでもいやでもなんでもそんでも新年はやってきます。やってきてくださるのです。誰のもとにも平等に。無事に新しい年を迎えられたら、まずはそのことを喜びましょう。何よりの良いことですから。

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