書き続ける!住職の平常心日記

静岡県にある曹洞宗のお寺、正太寺の住職が物欲との戦いを公開します。

自分がお寺のホームページに望むことが特殊すぎる

致し方ないことなのですが、私がお寺へ行く場合というのはケースが限られます。仕事で行くか、仕事で行くか、はたまた仕事で行くか。公務と表現した方が適切でしょうか。仕事というと僧侶が職業のように感じられて好ましくないかも。私はもう細かなことは気にせずに、お寺の運営に絡むものは仕事と表現してしまいますけれど。

公務以外は何かと言えば、家族と過ごす時間。これはさすがに公務ではない。それ以外はもう全部公務。僧侶ですから、生きている間中、僧侶です。日本特有の事情で家族と過ごす時間があるだけで。

お寺を訪問する仕事としては、法要への随喜が一番多いでしょうか。次は研修。そしてお寺主催の旅行。家族と旅行へ出た最中に、研鑽のためにふらりとお寺へ寄りたくなるのですが、まだ子どもたちの行きたいところを優先しなくてはならないので実現できていません。妻と二人で出かけられることがあったら、やってみたいですけれど。その時が来るのは後継者に代を譲ってからでしょうか…住職が休暇を取るというのがもしも当たり前に受け入れられるようになれば(檀家さんが亡くなっても葬儀の導師は近隣のお寺さんにお願いする、ということに様々な抵抗が完全になくなれば)、早めに実現できるかもしれません。

こうしてみると、私がお寺へ行く際には、そのお寺へ行くことが決まっていることがほとんどです。お寺主催の旅行でも、今は霊場めぐりですから、札所になっていれば自動的に行くことになります。ですから、そのお寺について調べるにしても、お寺の魅力がどうたらこうたらは後回しなんですよ。

情報が欲しい順に挙げてみますね。

詳細な場所 アクセス方法 駐車場の有無(無料か有料かも) バスで近寄れるか(大型ならここまで、中型ならここまでとさらに詳細情報があれば涙が流れる) 衛星写真 拝観料の有無 参拝可能エリア 御本尊ご開帳状況 参拝可能時間帯

ここからは追加情報として、

境内マップ 御朱印の有無 ご祈祷や各種法要の受付状況 縁起(お寺の成り立ち) 工事箇所があれば工事完了予定日

こんな順番になります。これを公式サイトがあればそちらから調べますし、無ければ参拝された方のブログなどを読み漁ります。大きなお寺さんだと観光協会が地元観光地として紹介サイトに載せている場合もありますね。

公式サイトがあれば、これらの情報は大抵手に入ります。最近は良い会社がついているんでしょうね。だいたいどこのお寺も似たような構成で、探しやすいといえば探しやすい。テンプレートの使い回しにもほどがありますが、何がどこにあるかすぐ分かるので悪い面ばかりでもありませんね。

私が欲しい情報って、まずトップページにはありません。せいぜい最下部に地図が載っているぐらい。衛星写真GoogleAppleのマップで手に入りますが、各種マップへのリンクも合わせて載っていると、検索の手間が省けて便利ですよね。

お寺としては、お寺の魅力を発信したくて公式サイトを持つのが普通です。それを全否定してしまっているようで申し訳ないと思いつつも、でもそこへ行くための情報としてどうしても必要なのです。また、札所巡りの下見で訪れる際は時間に追われるように行動していますから、駐車場入口の確実な把握と、車を降りてから観音堂までの最短ルートなどを把握する必要があります。そうした要望を満たしてくれるお寺は、今のところありません。正太寺だって当然整っていません。頼りになるのはGoogleMapの衛星写真。有難や有難や。

なんでこんなことを考えているかというと、正太寺の公式サイトをリニューアルするにあたって、必要な情報を真っ先に表示するべきだから、自分だったら何が欲しいだろうと書き出したわけです。iPhoneのメモアプリに。そしてこれをもとにサイト構成を考えようと思ったのですが…

素直に従えば、サイトトップがいきなり地図ですよ。そしてGoogleMapを衛星写真モードで開くリンク。多分ダメでしょう。この構成じゃ。いくら自分が欲しい情報だからといって、あまりに偏り過ぎています。せっかく書き出したけれど、参考にできない。

普通に方はお寺の公式サイトで、まず何を調べるんでしょうか。菩提寺であれば年間予定や色々聞きたいけど聞きづらいことなんかが書いてあったら嬉しいと思います。リニューアルに際してそれらは重視しています。正太寺の場合は宇津山城址を訪ねて来る方も時折見えられるので、その辺も掲載したら喜ばれるかもしれませんね。地元の檀家さんでも知らないことが多いでしょうし。お寺の縁起やアピールポイントをそれらに絡めて書いていけば良いのかも。

正太寺の場合は、どこか良い観光地ないかなと探して来る方もいないでしょうから、檀家さん向けに振り切ってしまって良いのかもしれませんね。それも、私ぐらいの年代から下の年代をターゲットに絞っても良さそうです。なんとなく。インターネットの公式サイトで正太寺のことを調べようという檀家さんは、比較的若い世代か、年代が上であってもIT機器を使いこなそうとする気持ちの若い方ということになると思うので。

大きな寺院の公式サイトが今のような形になっているのは、こうした点も踏まえて検討された結果なのでしょうか。それであるならば素直に似た構成にしてしまえば、悩む必要もありません。実際のところどうなのでしょうね。気になりますが、お寺のことをインターネットで調べる機会のある人が周りにいないので、聞けません。モヤモヤしますねー。モヤモヤモヤーですよ。